捻挫のほとんどは内側に捻ることで起こります。
長腓骨筋の筋力が低下すると、足首が内反しやすくなって、捻挫する可能性が高くなります。
足首の捻挫が多い人は、靭帯が損傷していたり、伸びてしまって機能不全になってることが多いです。
外反する作用の筋肉を鍛えて、補強する必要があります。
今回は鍛えたい筋肉と、トレーニング方法を書いていきます。
長腓骨筋を知って捻挫を予防しよう
長腓骨筋の筋力が低下すると、足首が内反しやすくなって捻挫する可能性が高くなります。
長腓骨筋はスネの外側にあります。
短腓骨筋、第3腓骨筋と共に足部を外反させる強力な筋肉です。
外反する作用の筋肉「長腓骨筋 や 短腓骨筋」を鍛えて補強する必要があるので筋肉の位置を知っておくといいです。
どこにあるのか知ったうえで筋トレすると効果がアップします。
長腓骨筋の特徴と作用
長腓骨筋は「歩く、走る」時に重要な働きをします。
特にデコボコした路面を歩くとき、
・バランスを取る、微調整する
・足首の安定
作用があるので、しっかりと鍛えたい筋肉です。
・足首の底屈
・足部の外反
・足底の全てのアーチ形成に関わる
・歩行時にバランスを取る
長腓骨筋は「足首を底屈」「足部を外反」させる筋肉です。
遅筋線維が多い筋肉なので、インナーマッスルの働きがあります。
筋肉の形状は 羽状筋(うじょうきん)といって、中央の腱から羽のように斜めに走行しています。
「支え」としてバランス調整する形をしているんですよ。
このようなイメージで働いています。
起始と停止
起始:脛腓関節の関節方、腓骨頭、腓骨の上側
停止:第1中足骨の足底面、内側楔状骨の底側
長腓骨筋は、図の停止部の位置にあるとおり、親指側を外側に引っ張って外反します。
歩いたり走るときに、足先が内側を向いている人は、足先がまっすぐに向くよう強化したい筋肉です。
親指の向きを調整します。
では、どのように鍛えたらいいのか?
実際にトレーニングしてみましょう。
長腓骨筋の筋力トレーニング
人の足は、そもそも内反傾向にあるので、ストレッチで伸ばすよりも筋トレがメインになるかと思います。
初めて運動するとき、捻挫を何度も繰り返してる人は、低負荷からゆっくり運動しましょう。
座って外反運動
① 椅子に腰掛けます。片方の足を床から離してヒザを伸ばします。
② スネの外側を意識して
「つま先を伸ばす方向」「親指を外側に返す方向」に動かします。
③ 左右両方行います。
※ ヒザを伸ばした状態も、曲げている状態も同じように運動します。どちらの状態でも筋肉が働くようにです。
【運動の理屈】
このように、①から②の方に筋肉が引っ張られて(筋肉が収縮して)その結果、外反します。
運動は、このような理屈で起こっています。
実際に外反運動してみると
スネの外側(起始)のあたりが、クッと働いてるような感覚はあるでしょうか?
運動のポイントは
「長腓骨筋が収縮して外反しているんだな〜」と
鍛えたい筋肉を意識し、感じながらトレーニングを行うと効果がアップします。
立って外反運動
① つま先を外に開いて立ちます。
② 片足ずつ、親指で床を押すようにかかとを浮かせます。
このときスネの外側「長腓骨筋」を意識することが大事です!
③ 数回繰り返したら、足の位置を前後左右に動かして同じように実施してみます。
※バランスを崩さないように注意する。安定したもの(壁や机など)につかまって行うと安心。
長腓骨筋のストレッチ
椅子に座ってストレッチ
① 椅子に腰掛けます。
② 片方の足をもう片方の足にかけて、脛と足の小指側を手で持ちます。
③ 底屈、内反方向に手で足部を動かしてストレッチ
*できれば30秒以上行います。
運動のコツと まとめ
そもそも足は内反方向に返りやすく、捻挫のほとんどは内側に捻ることで起こります。
捻挫の予防のためにも鍛えたい筋肉です。
普段では意識することはあまりない筋肉かもしれません。
最初は「方向性」「収縮しているのを感じる」を意識して運動しましょう。強さはその後です。
捻挫を何度も繰り返してる人は低負荷から運動し、バランスの取り直しを丁寧に行ってみてください。
遅筋線維が多い筋肉なので、微細な収縮運動(筋肉がピクっと動いてるかな、と感じる程度)から始めるだけでも十分訓練として成り立ちます。
長腓骨筋の運動後は、足踏みや、つま先立ち、できればウォーキングなどすると良いでしょう。微妙なバランスの変化を身体に馴染ませます。
トレーニングは地味ですが、作用は重要な筋肉ですので、実践してみてください。