ふくらはぎの筋肉「3つの浅層筋」
ふくらはぎの浅層の筋肉には
「腓腹筋」「ヒラメ筋」「足底筋」があります。
立位姿勢を一番下で支えている下腿(ヒザから足首までの部分)の筋肉です。
後ろから見ると、きれいにボコッとしているのはかっこいいですよね。
ふくらはぎの浅層の筋肉は、人体の中で一番太い腱「アキレス腱」になって、踵の骨(踵骨)に付着します。
腓腹筋とヒラメ筋がアキレス腱という1つの腱で合流します。
この腱は人差し指くらいの太さがあり、健康な腱はなんと1トンの重さを支えることができるといわれています!
「腓腹筋」「ヒラメ筋」「足底筋」の特徴
腓腹筋
ふくらはぎの一番外側にある筋肉です。
足首と膝をまたいでいる2関節筋になります。
後ろから見ると、ふくらはぎの中間位置から上に(膝の後ろにかけて)2つの筋腹が見えます。
中間位置から下では平坦な腱となり、アキレス腱となります。
ジャンプするなど、瞬発的な動きに一気に働きます。歩行中「かかとを持ち上げる」「膝の屈曲」にも作用します。
英語で gastrocnemius (gastro=腹 cnem=下肢)
(ガストロ)と呼ばれます。
ヒラメ筋
腓腹筋の一層深くに位置する筋肉です。幅が広くて平坦な形をしています。
英語で soleus といいます。平坦な魚(ヒラメ)に似ているのが、この名前の由来です。
ヒラメ筋は、腓腹筋、足底筋よりも断面積が大きくて、強力です。
膝を屈曲したまま、足首を底屈させることができる唯一の筋肉です。
ヒラメ筋は、遅筋線維(長時間、持続的にわずかな収縮で身体を支えてくれる線維)がとても多いのが特徴です。
ヒラメ筋は
膝を伸ばしたときも曲げたときも、
下腿(ヒザから足首までの部分)が前に倒れないように支える。
底屈運動にも関わる重要な役割。
足底筋
腓腹筋、ヒラメ筋に比べて小さな筋肉です。
欠如することもあります。
筋腹は腓腹筋の外側頭の上にあり、薄いキャシャな筋肉です。
その下に長ーい腱が伸びています。この腱は腓腹筋とヒラメ筋の間を通ります。
腓腹筋が膝を屈曲するときに、わずかながら足底筋が助けています。
ふくらはぎの筋肉 3つの役割
歩行、走るに関わる
足底面で、下腿(ヒザから足首までの部分)を支えるときから働きます。
腓腹筋・ヒラメ筋・足底筋は足部を底屈させます。(つま先を伸ばす方向に動く)
「腓腹筋」と「ヒラメ筋」を合わせて
「下腿三頭筋(かたいさんとうきん)」といい、強く底屈を行う筋肉です。
・かかとを持ち上げる
・下腿が前に倒れないように支える
立位姿勢の安定
下腿が安定してしっかり支えると、上半身のリラックスにつながります。
結果的に、肩こりなどなりにくくなるので、下腿の安定感は重要です。
代謝をアップする役割
ふくらはぎの筋肉は「第2の心臓」と呼ばれています。
心臓は指先や足先まで血液を送るポンプの役割をしますが、血液が戻ってくるときは筋肉のポンプ作用が必要です。
足の指先まで行った血液を、重力に逆らって上へ(心臓へ)戻すために、一番働くのがふくらはぎの筋肉になります。
ふくらはぎの筋肉が機能することで、全身の血流が良くなり、細胞に栄養や酸素が運ばれやすくなります。
心臓の負担も減るので、血圧や心臓病の予防にもなります。
むくみの解消にも役立ちます。
まめ知識
四足動物はふくらはぎの筋肉がありません。人間に発達した筋肉です。
なぜ発達したのでしょうか?
人間の血液の約70%は下半身にあると言われています。
直立歩行することで重量の影響を強く受けるようになり、血液を循環させるため心臓の負担が増えました。
心臓のポンプ作用だけでは循環させることが大変なので、心臓から最も離れた場所にあるふくらはぎの筋肉を発達させ、心臓に血液を送り返すようになりました。
ふくらはぎの整え方 4つの方法
・セルフマッサージ
ふくらはぎは両手が届くのでセルフマッサージしやすいです。長く立ち仕事をしたとき、むくみがあるときに!
・ストレッチ
比較的どんな場所でもできます。長く歩いた後にはストレッチで疲れをとりましょう。
・筋トレ
方法によって鍛えて太くすることもできるし、スッキリ細くすることもできます。筋肉の種類で鍛え方を変えましょう!
・ツボ押し