がんばるトレーニングから癒しへ【解剖学の使い方】

トレーニングは、体を強くすることやスポーツでパフォーマンスを上げるために役立ちます。そのときに解剖学や生理学の知識があれば安全かつ効果的に行えます。

今後の体づくりはトレーニング的な要素にもう1つプラスして、
「癒しの科学」や「癒すために解剖学を使う」ということも取り入れてみてはどうかと思うんです。

癒しと解剖学??
と思われるかもしれませんが、どう紐付いているのかを書いていきます。

骨格が整っていたら体は調子がいい

僕が学んでいる施術の分野に「オステオパス」という分野があります。

オステオパスは「全ての病気(苦痛)は身体の機能障害から起こる」という考えで、一言でいうと
『骨格が整っていたら体はいつも調子がいい』ということ。

そして骨格が正常に整っていれば、体は自然なシステムが働くので免疫系や代謝が正常に機能し、病気(苦痛)にはならない。または最小限でいいということを伝えています。

意外にもそれは難しいことではなく、ただ方向性を変えるだけ。オステオパスはびっくりするくらいソフトに施術が進みます。

人は「無理をする」「努力をする」「強くする」と言う方向性とは反対に
「感じる」「ゆるむ」「手放す」という方向性を持ち合わせています。

それが深まるほど癒され、自然にゆるみ、身体の調整がなされてきます。

これはスポーツをする人も しない人も、みんなが持っている共通のもの。
本来持っている生理学的なシステム】です。

この共通のシステムを知れば知るほど、僕たちは強くすることもできれば「自分を癒す」ということも可能になってきます。

トレーニングの変化

僕たちは体に対してトレーニングをして強くする
「がんばる」「付け加える」「強化する」という感覚を持っています。
ストレッチするにしても、「伸ばす」「柔軟にする」という感覚があると思います。

これは僕たちが意思を持って、自分のアクションによって変化させて作り上げていくような、アクティブなもの。

人は生理的に変化する力によってトレーニングの効果が上がるし変化するわけです。トレーニングの科学は生理学的なことを踏まえて、昔の『根性論』から『科学的に効率よくトレーニングする』と変化してきたはずです。

 

トレーニングは
「うさぎ跳び○周」「とにかくやればやるほどいい」というやり方から、
→ 「休みをうまく取り入れる方が筋力が向上する」
「自分の最大パワーの○%で何回するとどんな筋力がつく」へ。

 

ストレッチは
「前屈を後ろから強く押す」から、
「伸張反射を使う」
「組織の緩む時間を考える」など、やり方が昔とは違います。

トレーニングは効率よく安全に行えるようになってきました。

 

今後は一人一人が無理をせず、自分に合った癒しの実践も取り入れて、常に調子良く快適に過ごす方向へ解剖学を使ってほしいと思います。

 

 

癒すために 3つの実践

インナーマッスル

一番調整しやすい癒しの実践は、インナーマッスルではないかと思います。

インナーマッスル が機能するようになれば、骨格は正常な位置に落ち着きやすくなり、自己調整もしやすくなります。姿勢や運動中の体も安定し、過剰な緊張を手放すことができるようになります。

インナーマッスルは身体のバランスをとり微調整するための機能があります。
「私はどうなっているの?」ということが知覚できる感覚受容器も多いです。
特徴として『ガチガチに硬くなって動かない』というパターンになりやすいです。

 

筋膜

筋膜(Fascia)は奥深い組織でまだまだ解明されていませんが、身体全部にわたっていてあらゆる臓器を包んでいます。

体液の経路になっていたり、骨格の位置を決めていたり、臓器のスペースを分けていたり。身体の機能が正常に機能するため、情報をやり取りするための要です。

 

神経系

筋肉を使うトレーニングも筋力の向上だけが目的ではなく、運動神経、感覚神経も含めて考えるようになっています。
動かすこと、感じることができるようにトレーニングをすることができます。自分を感じてコントロールするのも能力。気持ちのコントロールにもつながることです。

さらに自律神経は交感神経、副交感神経の二つがバランスとっているという考え方の他に、進化した副交感神経の理論が出てきました。進化した副交感神経は自分を癒すために身体の機能を向けていきます。

神経の使い方でも身体のシステムは変わっていきます。

 

 

解剖学や生理学はトレーニングをして強くする、から「癒し」のために使う方向性も持ち合わせていく時代になったらなあと思います。

自分の健全さを感じながら、どんどん健やかに自分を拡大し、癒しや健全さと共に生きていきたいです。トレーニングの中に取り入れていきましょう。