【広背筋】の作用と解剖図

広背筋の特徴

広背筋とは、背中の表面を中部から下部にかけて大きく広がる筋肉。
とても面積が大きいのが特徴です。

人体の中で最も表面積が大きい筋肉なのですが、薄っぺらいので、断面積(厚さ)まで考えると、大胸筋や三角筋の方が大きい筋肉になります。
普段は使われにくい筋肉なので、薄っぺらくてそれほど発達しておらず、意識しにくい特徴があります。

体操や、水泳で使われる筋肉なので、選手はよく発達していて、体は逆三角形のきれいな形をしています。

 

英語では  [Latissimus dorsi muscle]

Latus → 「広い」
dorsi → 「背側の」

「背側の広い筋肉」という意味になります。

 

 広背筋の起始と停止

広背筋は、背中の中部〜下部から始まって、
下の方の肋骨、肩甲骨の下角を中継し、
大円筋を包み込むようにして、脇の下を通り、前方へ
行きます。

背中側で広背筋の上部は僧帽筋に覆われています。

 

大円筋は広背筋と仲が良く、補助的な役割をしてくれます。普段の生活では大円筋の方が貢献度は大きいです。

最後は腱になって、上腕骨の結節間溝へ付きます。

 

【起始】
① 第7胸椎から第5腰椎の棘突起(下部は胸腰筋膜を介して)
② 正中仙骨稜(胸腰筋膜)
③ 腸骨稜の後ろ側1/3
④ 第9〜12肋骨
⑤ 肩甲骨下角

【停止】
上腕骨の小結節稜、結節間溝の底

 

広背筋の作用と運動方向

停止する部分は上腕骨の一箇所ですが、起始は多数にあります。
肩甲骨や肋骨の中継地点でもあります。

◉腕への作用

①  上腕を前方から後方へ引く動き(伸展)

②  腕が内側へ向かう(内転)

③  手のひらが内側に回る(内旋)
の主動作筋として働きます。

広背筋だけの作用を厳密に考えると、腕を伸展させるというだけではありません。

上腕の上側(肩に近い部分)を、骨盤や背骨に近づける方向に動かします。
(肩を仙骨の方向に近づけるということ)

この方向を言葉で表現するのは難しいですが、

1.  肩の位置が体幹よりも後ろ側へシフト。
体幹が腕よりも前に来る。(伸展)図①

2.  肩の位置が仙骨に近づく(内転)図②

3. 上腕骨が内側へ回る(内旋)図③

このようにも表現できるかと思います。

 

◉肩甲骨への作用

肩甲骨の下角に付着するので、肩甲骨にも作用します。

・  肩甲骨内転
・  肩甲骨内旋
・  肩甲骨下制

◉脊柱への作用

下部肋骨に付着するので、腰を反らせることにも関与します。

①  胸椎下部、腰椎の伸展への関与、又は屈曲の制御
②  片方ずつだと体幹回旋への関与