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股関節の構造 【股関節の動きで意識する運動軸】

  • 2018年12月23日
  • 2019年1月18日
  • 股関節

股関節の構造

当たり前のように動かしている股関節。
股関節の正しい構造を知ることで、ストレッチや運動がより効果的に行えるようになります。
痛めにくくもなるでしょう。

どのように動いているのかをイメージして正しい軌道で運動しましょう。

英語では

日本語では股関節『股』と表現するので、『前側』にイメージがあります。
英語では『Hip joint:お尻の関節』と表現するのでイメージが『後ろ側』にきます。

日本語のイメージ→『前に屈む』『前が狭くなる』
英語のイメージ→『お尻が伸びる』『後ろ側が広がる』
少し違いを感じます。

骨構造

股関節は骨盤の寛骨と大腿骨が合う部分。
臼状関節になります。

寛骨

寛骨は、腸骨、坐骨、恥骨の3つの骨から成ります。
元々この3つのは分かれていました。小児ではY字型の軟骨で結合しています。
15〜18歳で軟骨は消滅して3つの骨が癒合し、寛骨になります。癒合した部分は厚くなっています。

外側には股関節の関節窩となる半球状の凹があり、その部分を寛骨臼といいます。

寛骨臼の向く方向は真横よりも少しだけ前を向いています。(20〜40度くらい)
そして、下を向いています。(45〜60度くらい)

大腿骨

大腿骨は太ももの部分の骨です。人体の中で一番長い骨になります。
股関節となる部分は上側で球状の『大腿骨頭』です。
大腿骨頭から、細くくびれた『大腿骨頸』が続き、筋肉の付着する部分である『大転子』『小転子』へと続きます。

大腿骨頸と大腿骨の長軸がなす角度は120度くらいあり、『頸体角』と呼ばれます。
水平面においては、大腿骨遠位部(膝の関節になる部分)に対して、前向きに10〜30度くらい捻れていています。これは『前捻角』と呼ばれます。

関節の構造

股関節は寛骨と大腿骨によって構成されます。
寛骨の方が凹の形(寛骨臼)、大腿骨が凸の形(大腿骨頭)になっていて、半球形の寛骨臼が大腿骨頭を包み込むような形の関節です。

寛骨臼は真横よりも少しだけ前を向き。(20〜40度くらい)
下方向を向いています。(45〜60度くらい)
大腿骨は長軸から大腿骨頭に120度くらいの角度がついています。『頸体角』
水平面から見ると10〜30度くらい後ろを向きます。『前捻角』

股関節の安定

股関節が非常に安定しているのは、
①強靭な関節包と副靱帯
②大腿骨の寛骨臼へのはまり方
③関節の周りの筋肉の働き
によってです。

その中でも②大腿骨と寛骨臼の構造を今回は取り上げます。

寛骨臼と大腿骨頭の円の曲率はほぼ一致しています。(ピッタリとはまる)
直立した時、大腿骨頭の前方は約1/3、後方は約1/2が寛骨臼に覆われます。
股関節は骨の形状による安定性がとても高い関節。


肩甲上腕関節(肩関節)や脛骨大腿関節(膝関節)などと比べても、骨形状の安定性は上です。

股関節の運動方向

股関節の構造から運動方向がわかります。
臼関節という構造は3次元の運動方向が可能です。
・屈曲ー伸展
・外転ー内転
・外旋ー内旋
この運動方向の組み合わせで、寛骨に対しての大腿骨の動き、大腿骨に対しての骨盤の動きがさまざまな方向へ可能となっています

股関節の肢位とアライメント

股関節は安定していると共に、とても自由度の高い関節
運動のときは3次元でさまざまな方向に、広い可動範囲で動きます。
そのため、寛骨臼と大腿骨頭の位置関係は動きによって大きく変化します。理解しておくことは大切!

成人の股関節だけの屈曲角度は95°程度であると報告されています。
「意外にいかないな」と思うかもしれませんが、股関節の屈曲とともに骨盤が後傾することが多いので、「もっといく」というイメージになっています。
正常の股関節を屈曲方向に運動すると、寛骨臼縁と大腿骨頭ー頸部の移行部がぶつかって可動域が制限されます。

股関節が純粋に軸回転をすると、大腿骨は股関節を中心とした円錐形の軌跡をたどります。
屈曲では外転、外旋を伴った運動
伸展では外転、内旋を伴った運動
となります。

これが寛骨臼の向きと、大腿骨の角度のちょうど折り合いのつく軌道になり、広い可動範囲を取ることができます。
軸回旋は関節の適合性を保った運動軸になるため、骨のインピンジメントは生じません。
この軸運動をきちんと表現できれば、股関節の運動に伴う負担を軽減し、質の軽い運動にすることができます

純粋な股関節の軸運動
屈曲
屈曲初期は膝、大腿部は内側の方向へ向かいます。
膝は徐々に外側へ回転し脇の下の方向へ向かい、最終的にはさらに外側へ開きます。
伸展
伸展するにつれて膝は内側の方向を向きます。足部や踵は股関節や膝よりも外側の位置にきます。

 

大腿骨頭の回転

英語イメージによる後ろ側を通る股関節の回転運動を見てみます。

直立した時に大腿骨頭の一番上にくる部分に緑のマーキングをしました。

屈曲して行きます。


徐々に後方、下側へと回転してきます。


大転子に隠れてしまったので、下側から見てみます。


最初一番上にあった緑のマーキング位置がここまで下側へ回転してきました。

股関節の屈曲で、大腿骨頭の回転は写真のような軌跡になります。
太ももや膝を上げて行くような『前側』にイメージが強すぎると、回転の運動軸がずれたり、力の伝わり方も変わってしまいがち。
一度後ろ側の回転もイメージして運動してみるのは、ストレッチやヨガにも役立つはずです。

まとめ

今回は関節の構造による運動の方向、運動軸について考えてみました。

股関節の運動軸が身体に習慣化されることで、ストレッチやヨガ、歩くときに、意識をしなくても正しいアライメントで運動してくれるようになります。
股関節が安定すると骨盤が安定します。骨盤の安定は上半身のリラックス、腰痛や肩こりの軽減につながります。
とても重要な部分です。

ぜひ丁寧に運動軸を意識した股関節の運動を実践してみてください。