【重要・股関節のインナーマッスル】梨状筋の特徴と作用

  • 2019年1月18日
  • 2019年2月12日
  • 股関節

梨状筋とは

梨状筋は股関節深層 の外旋六筋の一つです。

大臀筋の奥にある股関節の深層筋『外旋六筋』の中で、一番上に位置します。
外旋六筋の中では最も知られている筋肉です。

一見目立たない筋肉ですが、その働きは多くて、非常に重要な筋肉の一つです。

 

特徴

特徴的なのは、仙骨に付着する筋肉であるということ。仙腸関節にまたがるので、全身の調整に関わる筋肉とも言えます。
また股関節と仙腸関節にまたがる唯一の二関節筋であるということも特徴の一つ。筋力が強いか弱いかだけではなくて、『外力の方向の制御』『軌道の制御』『筋出力の制御』に大きく関わることを意味しています。

 

起始と停止

起始:仙骨の内側面(前側)2〜4孔の間、大坐骨切痕の縁

停止:大腿骨大転子先端内側面

 

働き

①股関節外旋、わずかに外転
②股関節の安定
③仙腸関節の運動サポートと安定
④立位動作のバランス制御と安定  など。

 

構造による運動作用

梨状筋に関しては他の外旋六筋と違い、股関節の屈曲角度によって内旋外旋の作用が変わってきます。
股関節が屈曲していくと徐々に外旋の作用は減少。およそ屈曲60度で外旋の作用が0になり、さらに屈曲すると内旋の作用となっていきます。

 

梨状筋の作用

梨状筋は股関節のインナーマッスル。そして外旋六筋の中で仙骨に付着する唯一の筋肉です。
その特徴から、運動だけでなくいろいろな身体構造に作用します。

股関節の安定

他の外旋六筋と協力して骨頭を臼蓋に引き寄せる働きをします。股関節を安定させ、運動する時に適合性を高める役割をします。

 

股関節外旋と内旋

つま先を外側に向ける動き、足を固定して体(骨盤)を回旋させる動きで活発に作用します。
日常生活では、台所で立ち仕事をして動き回る時に働く筋肉。
腰を支えてくれています。

スポーツでも活躍する場面が多い筋肉で、軸足を安定させて骨盤を回転するときに強く働きます。実は腰(腰椎)はあまり回旋運動をしないので、腰が回るのは左右の股関節が回旋するからです。
野球のスウィングのような回旋運動(内旋から外旋への運動、軸足の内旋を制御)、ダンサーがターンする時にも強く働きます。バレリーナはバーベルを上げる選手よりも外旋六筋が発達しているそうです。
関節の安定があってこそしなやかな動きができるということを表しています。

 

股関節、仙骨の制御

梨状筋の運動の作用として、『運動を制御する』ということも大きな役目の一つです。外旋筋として、急な内旋運動を制御します。

それだけでなく、仙骨の可動性を制御していています。
立位前屈で骨盤が傾いていく時に、仙骨を支えながら位置を調整してくれます。反対に言えば骨盤を起こして重心を後ろにとどめる(骨盤の前傾を防ぐ)ように微調整をしています。

 

仙腸関節の安定と動きに関与

梨状筋は、股関節だけでなく仙腸関節をまたぐ二関節筋。
このことから、仙腸関節の動きにも影響します。仙骨連結部の安定と柔軟性に関わってきます。

仙腸関節は走ったり、歩いたりする時には『動き』に作用し、体重を支える時は『安定』に作用します。
例えば歩く時、足に体重が乗っていると仙腸関節を引き締めて安定し、振り出す方の足では動きをサポートして、左右がうまく連動するように調和をとります。
仙腸関節の安定は動的なもので、仙骨は側屈と回旋をしながら歩いている時の負荷を効率的に伝える支点のような役割を果たします。

梨状筋に十分な収縮力としなやかさがあれば、これらの運動が円滑に行えるように調整されやすくなります。
でも、梨状筋が拘縮すると仙骨は後方へ引っ張られて固定されます。仙骨と尾骨が後方に引かれると、仙腸関節に強い力がかかり腸骨との下耳状面は前方に移動。
仙骨の動きは損なわれて、運動の負荷を効率よく伝えてくれなくなります。それは背骨の硬さ、腰痛などの原因にもなり得ます。

 

脳脊髄液のポンプ作用

頭蓋骨と仙骨は脳脊髄液の循環と連動して一定のリズムでわずかに動いています。このリズムによる頭蓋骨と仙骨の動きが脳脊髄液の循環を促すポンプのような作用をしています。
特に仙骨と後頭骨は全く同じ動きをしています。後頭骨は頚椎の0番とも言われていて、背骨の一つと数えられることもあります。後頭骨と仙骨は背骨の始まりと終わり。動きの自由度は背骨の緊張や運動、その中を通る中枢神経や脳脊髄液の流れに影響します。
仙骨の動きの制限は、身体の運動や脳脊髄液のポンプ作用の妨げとなり、あらゆる不調に繋がる可能性があります。
梨状筋が短縮、拘縮していると、このポンプ作用を制限する要因になります。

 

坐骨神経や血管のスペースを仕切る

梨状筋は大坐骨孔を横切る筋肉。その上と下のスペースを『梨状筋上孔』『梨状筋下孔』といいます。スペースの仕切りのようになっています。
梨状筋が拘縮すると、筋肉が短縮するだけでなくて肥厚してしまいます。
梨状筋の肥厚は坐骨神経を圧迫する要因ともなります。
坐骨神経痛はさまざまな要因で起こるのですが、一般的な原因は梨状筋の酷使による病的な拘縮にあると言われています。

 

梨状筋の整え方

梨状筋はしなやかな伸縮性があることが理想的です。
硬くなりすぎるのはよくありませんが、緩みすぎもよくありません。
梨状筋が緩んでいると、仙腸関節は過剰に動きすぎてしまい安定性を保ちにくくなります。時には仙腸関節の痛みの原因になることも、、。
極端なストレッチの継続はやめましょう。

大事なことは収縮もできて、緩むこともできるというバランスです。
筋力トレーニング、ストレッチを、自分の梨状筋の状態に合わせてバランスよく実施するようにしましょう。

お尻の深部にある、股関節のインナーマッスルで、それほど大きくなりません。
優しい収縮でポンプしてあげるようなイメージで運動します。過剰な負荷や強度のある筋力訓練は、最初の段階では必要ありません。場所をよく確認して、イメージを持つことが大事です。
運動方向もあるのですが、大腿骨の骨頭を臼蓋、仙骨の方向に引き寄せる作用が強いので、その方向に働く力も意識できるとより効果的なトレーニングができます。

 

トレーニング方法 3つ

1.ストレッチ
 股関節の回転軸を意識できるとインナーマッスルのストレッチには効果的!

2.筋トレ
 インナーマッスルなので、負荷は小さく、回数は多く実施します。
 収縮を意識できると効果的なので、筋肉の場所をイメージできるように絵で確認!

3.バランス
 立位で股関節を安定させることに働く筋肉。
 できれば片足立ちで骨盤を回旋させる軸足運動を!