「股関節を柔らかくする方法」の記事更新しました。イラスト付きで解説してみました

手術の傷跡をキレイにする方法【抜糸後のケアの手順】

手術の傷跡ケアの重要性

手術をした後、意外に盲点なのは傷跡のケアです。

例えば骨折で手術をしたのであれば、骨がくっついたかどうかがゴールになります。回復に向けてリハビリは一生懸命しますよね。

傷跡のケアは忘れがちですが、リハビリと同様に自分で行う大切な作業です。

 

なぜ傷跡のケアが重要なのか?

きれいな傷でも、ケアをしないで放っておくと、ケロイド(瘢痕)になる可能性があります。

ケアを怠ると、後々に影響してくるのですが、あまり知られていません。

傷跡は、日常生活に支障があったり、関節の動きを制限することもあるんです。

 

手術は、結合組織(皮膚や筋膜、筋肉など)を傷つけます。
必要な手術は仕方のないことです。
(今の手術はなるべく大きく開かないように内視鏡手術など技術が発展しています)

 

手術の傷跡は支点となって、数年かけて周りの筋膜を引っ張ります

 

体は全身つながっているので、傷跡に向かって筋膜が引っ張られ、腰が丸くなったり、肩が凝ったりするのも、何年か前の傷跡が影響している可能性もあります。

そういったことを防ぐためケアをすることが必要です。

 

僕の手術の経験と、リハビリの仕事がら、今まで沢山の方の傷跡を見てきたこと、そして筋膜の特徴からハッキリと断言できます。

 

手術の傷跡をきれいにするためには、抜糸後のケアがとても大切です。

ケアをしなくてはいけない時期と手順があるので、面倒でも実践することをお勧めします。

 

手術後の傷の変化

手術による傷は、けがと同じように徐々に回復へ向かいます。

手術した傷が癒合するまでの期間は、傷の大きさ・傷の深さ・傷の部分・体質・代謝などによって違いはありますが、およそ1ヶ月〜3ヶ月かかります。

一般的には
手術から抜糸まで 1週間〜2週間程度
傷が癒合するまで 1ヶ月〜3ヶ月

傷は抜糸後も修復する時期が続きます。

傷が安定するまでは、自分でケアする大事な時期です。

手術直後の状態

手術した後は糸で縫合します。
出血があったり、まだ傷口が閉じていない状態。

傷を修復するために肉芽組織が形成されて、数日から数週間かけて傷が塞がっていきます。
だいたい数日から2週間程で、傷が塞がったら抜糸します。

最初の数日は、赤くなって熱をもったり、腫れて痛みがある炎症の時期です。炎症は、細菌などから傷口を守るための反応。悪いものではありません。

抜糸までは、冷やしたり、むくみ過ぎないように患部を高く挙上します。

 

瘢痕の形成

抜糸後、傷の接着はまだ不安定で柔らかいです。

傷口がきれいにくっついて癒合した後、肉芽組織は役目を終えて縮小していきます。その代わりにコラーゲンなどから作られる、白くて硬い組織が残ります。

これを「瘢痕」といいます。

皮膚の接着が不十分だと、3ヶ月から4ヶ月は発赤や硬化が見られ、6ヶ月から1年かけて瘢痕組織は成熟して、傷が軟化し徐々に目立たなくなっていきます。

 

自分で行う傷跡をキレイにするためのケア

傷跡を残さないためにすること

1.   傷口の固定(糸で縫うのもその一つ。抜糸後は傷跡専用テープで固定

2.   安静(動かし過ぎない)

3.   摩擦などの刺激を避ける(衣服にも注意)

4.   乾燥を避ける

5.   清潔を保つ

 

その他、間接的に気をつけることは

・大量の飲酒をしない
・長時間の入浴はしない

痛みが強くなる可能性があるので注意です。

 

ケアの方法

手術から抜糸まで

基本的に抜糸までのケアは病院で教えてくれると思います。

摩擦や外部の刺激、動かしすぎに注意です。

医療用テープが貼ってあれば、そのまま入浴が可能です。
菌が入らないように清潔を保つ必要があります。

傷口を過度に動かしすぎない範囲で、筋肉の運動、関節の運動はしなくてはいけません。

 

抜糸後は傷跡専用テープを貼る

【傷跡専用テープを貼る理由】
皮膚、筋膜には弾性があって、常に引っ張る力が働いています。

傷口も開く方向に力がかかります。

傷が開くと、傷跡が目立つようになったり、ケロイド(肥厚性瘢痕)になる可能性があるため、それを防ぐためにテープを貼ってケアをします

 

●  抜糸をしたら傷跡が開かないように不織布テープを貼りましょう。

●  衣服の摩擦や、サポーターの摩擦もできるだけ避けます。

 

しばらく傷は柔らかいので、傷に硬いものが当たらないように気をつけます。

傷の洗い方
・石鹸をよく泡だてて、擦らずに優しく触れるだけです。
・石鹸はしっかりと洗い流すようにしましょう。

洗い終わったらタオルで触れるように拭いて、乾いたら再びテープを貼ります。

 

●  「癒合」までは、早くても術後2〜3ヶ月くらいかかります。その間テープを貼り続けることをお勧めします。傷跡をきれいにできるはずです。

「傷の硬さがなくなる」
「赤みがなくなる」
「かゆみがない」

状態になるのが癒合の目安です。

できれば6ヶ月〜1年くらい傷跡に対して過度な刺激を与えないようにした方がいいです。

 

オススメのテープ

3Mマイクロポアサージカルテープ

オーソドックスなサージカルテープです。少しテープを引っ張りながら、傷口を寄せるようにして貼ります。

 

【サージカルテープの貼り方】

テープを適度な長さ(3cmくらい)に切って、傷に直角に貼ります。

テープの端を少し重ねるようにして、傷が出ないようにします。

交換は2〜3日くらいで行います。
傷口が開かないように、端から傷に向かってゆっくりと優しく剥がします。

※サイズが2種類ありますので、ご購入の際はご確認ください。

 

アトレスケア

伸縮性のあるフィルムです。傷口に向かって皮膚を寄せる力が働く透明のフィルムです。

 

 

傷跡テープを終えて6ヶ月〜1年経った後のケア

傷口が安定したら、硬くなっている傷跡をマッサージをして、筋膜に弾力を与えていきます。

傷跡は瘢痕組織になり、硬くなります。

傷跡に向かって全身の筋膜が引っ張られて、傷口に向かう張力となります。
その張力は、数年かけて全身の筋膜を引っ張って形を変えていきます。

それを防ぐには、できるだけ傷跡をきれいに治すことが最初は重要ですが、6ヶ月〜1年経って傷が安定したら、マッサージなどで硬くなった組織をほぐしていきましょう。

 

手術は溶ける糸での縫合もあります。
表皮を縫わないのでテープを貼り続ける

縫合の糸が溶けて、抜糸をしなくても良い手術方法もあります。

手術は真皮まで縫合され、表皮はシリコン素材の不織布テープが貼られているはずです。
このテープは剥離の少ない医療用のテープで、傷が開くのを防いでくれます。

退院時は、その上に防水のフィルムを貼ってくれるはずです。

防水のフィルムは貼ったまま入浴が可能。
2週間程度で剥がして、その後は石鹸を泡立てて泡で優しく洗います。(清潔を保持するように心がけます)

シリコン素材のテープは自然に剥がれるまでそのままにしておきます。上から洗ってもOKですが、強くこすらないよう優しく洗います。

シリコンの不織布テープが自然に剥がれてからは、自分でケアすることになります。

 

自分でケアする方法

・不織布テープを貼って傷口を固定する方法
・シリコン製のジェルシート

などの方法があります。

 

ドラックストアでも売っているかもしれませんが、あまり見たことがありません。
ネット通販で購入します。

テープを貼る期間は決まっていません。
傷口の治り具合により、自分で判断することになります。

長くみて、2〜3ヶ月くらい貼っておくと、傷跡をきれいにできるはずです。

傷の痛みや違和感がなくなればテープの使用を終えても構いません。
(皮膚のトラブルなどがあれば、テープの使用を控えます。)

 

 

傷跡がケロイド化しやすい場所も知っておくとよいでしょう。

傷跡がケロイド化しやすい場所

1.  骨の突起部
突起部分は強く当たります。外部の刺激を受けやすいので、工夫して傷口が安定するまでは刺激を避けましょう。

 

2.  衣服で締め付けるところ。摩擦があるところ
ゴムで安定させているウェストの部分や、靴下や靴のヘリで摩擦が生じる部分は注意しましょう。

サポーターや装具などが傷に強く当たるようなことにも注意が必要。関節の固定が必要なこともあるので仕方がないこともありますが、担当の先生と相談してみましょう。

 

3.   関節を動かす時に 皮膚が大きく伸び縮みをするところ
外部刺激も受けやすいですし、特に最初の時期は過剰な動かしすぎは避けましょう。
皮膚が伸びると、傷口が開く方に張力が働いてしまうかもしれません。

 

 

ぜひ参考にしてみて下さい。