あまり普段意識しないと思うんです。
筋肉の収縮って。
無意識にでも動きがあるとそれは筋肉が収縮しています。
体って無意識でも動くし、意識して動かすこともできるしすごい機能ですよね!
ヨガは意識化すること。
『今自分に何が起こっているの?』を観察して、意識化して、できればコントロールしていきます。
意識化できるとポーズがどんどん深まっていくし、効果もアップします。
今回はポーズの時にどうやって筋肉が収縮しているのか?
筋肉の収縮様式3種類をご紹介します。
筋収縮って何?
筋収縮とは、文字通り筋肉の収縮のことです。
筋肉には収縮する(パワーを使って縮む)という機能と、弛緩する(力を手離してゆるむ)という機能があります。
筋肉が収縮して縮むことで関節を曲げたり、
逆に弛緩させて緩めたり、
それらを組み合わせながらいろいろな動きをしています。
重いものを持ち上げるのは筋肉が収縮してパワーを発揮しているから。
運動が起こるのも、筋肉が体を持ちあげたり支えたりしてパワーを発揮しています。
私たちの体は筋肉が緊張と弛緩をバランスよくすることで、運動ができています。
筋収縮の仕組み
筋収縮は、細いアクチンフィラメントが太いミオシンフィラメントの間を滑って起こっています。
ミオシンフィラメントの頭部はボートのオールのように動いて、細いアクチンフィラメントを引っ張ることによって滑走します。
筋収縮が起こるとI帯とH帯は狭くなり、最大限に達すると見えなくなります。
アクチンフィラメントとミオシンフィラメントの重なりが増えることで筋接が短くなりますが、フィラメント自体の長さはどちらも変化しません。
筋肉の収縮様式 3種類
筋肉の収縮様式には、等尺性収縮と等張性収縮の2種類があります。
さらに分けると、等張性収縮には短縮性収縮と伸張性収縮の2種類あるので、筋肉の収縮様式は全部で3種類あります。
それではそれぞれの収縮様式を見てみますね。
等尺性収縮
等尺性収縮とは、『筋肉の長さが変化しない収縮様式』のことです。
関節の動きは伴いません。
ヨガでいえば、ポーズをキープするときは等尺性収縮です。
関節が動かず、筋肉の長さが変わらず、体を支えるために筋肉が収縮しています。
等尺性収縮は姿勢を維持したり、物を固定した位置に保つときの収縮。
例えば、、、
・ウトゥカタアーサナ(空気椅子のポーズ)で膝を曲げながらポーズを保持しているときの大腿四頭筋の収縮
・ダンベルを持って肘を90度屈曲位で保持しているときの上腕二頭筋の収縮が等尺性収縮です。
筋肉は長さを変えずに耐えているという状態。
物を持ったときに、その物の重さ(抵抗)を超えて動かすほど筋肉の収縮する力は大きくなくても良くて、筋肉は短縮せずにそのままの長さで止まります。
物を持ち上げようとしても重すぎて持ち上がらないときも、収縮する力は働いているけど動かない。
その場合も等尺性収縮が起こっています。
腹筋をして体が持ち上がらなくても、お腹に力が入っていたら等尺性収縮としてトレーニングになっています。
短縮性収縮(求心性収縮)
短縮性収縮はイメージしやすいです。
筋肉の長さが短くなる収縮様式のことです。
筋肉の起始と停止が近づきます。
短縮性収縮は、動かそうとするモノの重さ(抵抗)を、筋肉の収縮する力が上回ると、筋肉は短くなりながら収縮します。
例えば、、、
・椅子にすわって膝がまがっている状態から、伸ばしてまっすぐにするときの大腿四頭筋の収縮
・ダンベルを持った肘を曲げてくるときの上腕二頭筋の収縮
筋肉は短くなりながら収縮しています。
ヨガでいえば、ダウンドックから片足を振り上げる時の大臀筋の収縮です。
動いている時には、筋肉の長さが変化しながら収縮していることになります。
伸張性収縮(遠心性収縮)
伸張性収縮とは、筋肉の長さが長くなりながら収縮している収縮様式のことです。
起始と停止が離れながら収縮しています。
筋肉が力を発揮しながら伸びていく状態です。
重さ(抵抗)に対して、筋肉の力が急に抜けて、重力によって落ちてしまわないように、
負荷に抵抗して筋肉が伸びるのを遅くするときに働いています。
例えば、
・椅子にすわって膝を伸ばしている状態から、膝を曲げて足を床におくときの大腿四頭筋の収縮
・ダンベルを持って肘を90度に曲げたところから、ゆっくり下ろして行くときの上腕二頭筋の収縮
筋肉は長くなりながら重さを支えるために収縮しています。
ヨガのポーズでは、ゆっくりと前屈するときの大臀筋の収縮がこの伸張性収縮になります。
まとめ
筋肉が伸びながら収縮しているのか、縮みながら収縮しているのか、静止して支えるために収縮しているのか。
それをなんとなく感じて運動やヨガのポーズをすることで、意識が変わり、運動の効果をより高めてくれます。
一度ゆっくりと意識をして実践してみてください。