【個別性の原則】自分に合ったトレーニングが大切な理由

最適なトレーニングとは「自分に合ったトレーニング」

世の中には、たくさんのトレーニング方法(筋トレやストレッチ、ヨガなど)があります。

たくさんありすぎて、何が良いのか判断が難しく、何が正しいのか、わからなくなってしまいます。

重要なのは「何が正しいのか?」だけではありません。
「何が自分に合っているのか?」ということが大事です。

自分にとっての「最適」は、人それぞれ違います。

 

個別性の原則とは

トレーニングの原則の1つ【個別性の原則】とは、
年齢、性別、人生経験、生活習慣、身体的特徴など、

人には個性があるので、なにが最適なトレーニングかは、人によって違いますよ
という原則です。

トレーニング以外でも、生きる上で参考になる原則でもありますね。

 

トレーニングするときは身体の「個別性」を考える

体を柔らかくしたいとき

身体が硬ければ、まずは ”ストレッチ”  と思うかもしれませんが、それも人それぞれです。

関節を支えるための靭帯が硬いときと、筋肉が硬いときでは、同じ硬いでも原因が違います

靭帯は自分の意思で動かすことができないので、圧をかけたり負荷をかけたり、ゆっくりと時間をかけてストレッチすることがいいかもしれません。靭帯自体はあくまで受け身なので。

筋肉は自分で動かすことができます。(心臓の筋肉などは自分で動かせませんが…)

筋肉が硬いときは「収縮と弛緩のテクニック」を使うなど、自主的な運動もいいかもしれない。

同じ「体が硬い」でも、人それぞれに原因があり、「個別性がある」ことを知って、自分に合った方法を探せます。

 

筋トレをするとき

今まで運動したことがない女性と、スポーツをしていた男性で、同じメニューをこなすのは無理があるかもしれません。

30キロのベンチプレスを持ち上げるとして、女性にとっては過負荷でオーバーワーク。
男性にとっては物足りなくて、速筋線維を鍛えるには効果的ではない。ということになってしまうかも。

その段階に合った、適切な負荷をみつけて実践するほうが効果的です。

これはあくまでも例ですが、

運動したことがない女性であれば、
関節を支えるためのインナーマッスルを軽い負荷で鍛えて、関節の軌道の方向づけをする。
運動に慣れてから、負荷を強くしていく。

 

スポーツをしていた男性であれば、
自分の最大収縮で2〜3回持てるだけの負荷で速筋線維を鍛える運動も取り入れる。

など、個人によって、与える負荷の量、トレーニングメニューは変えていくほうが効果的です。

 

ヨガのポーズで個別性の原則はとても重要

自分は自分

ヨガのポーズを実践するときに「個別性」はとても重要。にも関わらず、すごく意識しにくいです。

「ヨガで思ったような成果が出ない」「ヨガで体を痛めてしまった」の原因は、
個別性を無視していることにあるのではないか、
とも感じます。

人はどうしてもポーズの完成形を追ってしまい、その形に自分を合わせようとしてしまいます。(それでもいい人もいますが)これは落とし穴です。

大事なのは「自分は自分、人とは違う」ということを受け入れること。

決して何かと比べずに、結果(ポーズの完成形)に執着せずに取り組めるかが重要です。

身体はあくまでも個人個人で違うものです。今の自分に適したポーズの取り方があります。

自分に何が合っているのかを知ることは、自己探求でもあり、己を知ることのプロかもしれません。

ヨガの種類もいろいろあるので、何がしたいかという選択だけでなく、どのヨガが自分に合っているか?と考えて選ぶのも1つの方法です。

また、身体の痛みや硬さが気になるようであれば、知識を知りつつ実践することで、ポーズの調整が自分で可能になってきますよ。

これもあくまでも例ですが、
ウッターナアーサナで前屈が膝までしか行かないとして、腰を丸くして無理やりポーズをとることは適切ではありません。

本来は股関節を大きく屈曲するポーズ。

まずは、膝を大きく曲げて股関節をしっかりと曲げることで、腰の負担がないようにします。

 

 

 

身体の連動を使って背骨を緩めたり、股関節のストレッチを事前に行ったり、
ふくらはぎを調整して下腿を安定させたり、いろいろなテクニックが使えます。

自分に合った方法も取り入れてポーズを深めていきましょう!

 

環境も人それぞれ。ベストは「自分の中」にある

筋トレやヨガをいざ実践しようと思ったときに、ジムやスタジオに行ってみんなでするほうがモチベーションが上がる!という人もいれば、
それは恥ずかしくて気が散るから1人でやるほうが集中できていい!という人もいると思います。
それも個別性の原則のうち。

自分に合った環境や道具を設定してあげることも、効果を引き上げるために役立つことです。
「ベストは自分の中」にあります。

 

考える基準

◉年齢

人は30歳前後を過ぎると体力が低下してきます。年齢によるものは自然なことなので仕方ありません。その年齢に合わせたトレーニングメニューを考える必要があります。
特に、30歳を過ぎてから新たに運動を始める際は、その運動に慣れてから負荷を強くするようにしたいところです。

 

◉身体的特徴

人それぞれ、身体には特徴があります。

体が硬い人は、筋肉の質に弾力をつけながら可動範囲が広がるように鍛えたいですし、
元々柔らか過ぎるという人は、ルーズな部分をしっかりと支えられるように筋力をつけていきたいです。

自分の身体に合わせたトレーニングで考えましょう。

 

◉生活習慣

朝運動するのか、それとも夜寝る前なのか、時間帯に合った運動の方が効果的です。

また、普段の生活で使わない身体の部分を鍛えるなど、生活習慣によって効果的な方法は違うかもしれません。特に最近はデスクワークが多いので、運動は意識的に行う必要がありそうです。

 

◉その人の歴史、人生経験

人の身体や心には、その人なりの経験が反映されています。

僕の経験では、
力仕事をしていた人は、関節周りが硬い傾向にあるので、深部の筋肉や靭帯を柔軟に保つような運動が有効かと思います。

忙しく仕事をしている人は、ゆっくりとしたヨガや呼吸法など、スローダウンする機会があるほうが健康を保ちやすいかもしれません。

トレーニングをする人は、速筋線維や遅筋線維の個別な割合、過去のスポーツ歴などで方法を考えてもいいでしょう。

人生経験も考慮する部分の1つです。その他にも、性別、性格、能力、食事の習慣など、様々な個別性があります。

 

まとめ

トレーニング効果を高めるためにはもちろんなのですが、身体を痛めたり、怪我をしないためにも、個別性の原則は大切です。

自分のスペシャリストを目指してください。良い意味でマイノリティーに取り組んでみてください。

まずは自分に気づいて、無理することなく、自分に合ったトレーニングをおすすめします。

 

〜おまけ〜

介護や、ケアの分野でバイステックの7原則というのがあります。その中の1つにも個別性の原則があります。
人それぞれの問題があって、同じ問題は存在しない。という考え方です。

人生すべてに応用できる考え方ですね!