タダアーサナのやり方:最高のバランスで美しい佇まいになる

タダアーサナとはどんなポーズ?

ただ立っているだけなのに雰囲気のある人っていますよね。
歩いている姿もたたずまいもきれいに感じる人がいます。
気持ちの余裕がそうさせているかもしれませんが、反対に立っている姿勢の良さが気持ちを変えてくれることもあります。

タダアーサナの実践は、動じないメンタルと落ち着いた雰囲気を私たちに与えてくれます。

ターダとは『山』を意味していて、『山のポーズ』とも言われます。
どっしりと山のように立つポーズで、ヨガの基本的な立ちポーズです。
立って行うすべてのポーズの基になります。
サマスティティとも呼ばれます。サマは『直立』『まっすぐ』、スティティは『不動の姿勢』を意味します。

タダアーサナで正しく立てれば、身体に床反力が働き、上昇するエネルギーが体を持ち上げ、身体が軽くなり、快適さを感じることができます。

タダアーサナの理想形は何もしないで楽にいること。
そうしたら、だらっとした崩れた姿勢の方が楽ではないか?と思うかもしれませんが、そうではありません。
それだと筋肉は楽でも関節や構造に負担(重さ)がかかります。

やじろべえは何も力をかけないのに自然にバランスをとって立っています。
ジェンガは真四角に乗せた方が安定して立っています。
タダアーサナは重力に対して体の構造を乗せて、楽にリラックスをしてずーっと不動でいれることが理想のポーズです。

すごーく簡単なポーズと思われがちですが、簡単がゆえに奥が深くて、自己修正が難しいポーズです。
なぜなら、私たちは長年かけて立っている姿勢を確立しています。
本来のまっすぐな正しい位置からずれていても、そのことに気づきにくいからです。
かかとの方に体重をかけてお腹を前に出している姿勢が楽な人もいれば、片足に乗ることに慣れている人もいます。

実は、微妙な重心のズレやアライメントのズレは、身体のゆがみとなっています。
微妙なゆがみでも、長い時間、構造に負担がかかると、脊椎の弾力が失われてしまいます。
腰痛や肩こりの原因になっていることもあるんです。

なので、タダアーサナが楽に良い姿勢でいれているかはとても大事です。

タダアーサナの解剖学

タダアーサナを正しくとるとほとんど努力を要しません。
バランスとアライメントが安定していれば、筋力はほとんど使わずにポーズをとるができます。
筋肉の活動は姿勢を支えるだけの必要最低限で十分。
特に気をつけたいことは、局所的なものではなくて、全体が満遍なく、微細に働いていることが理想です。

その微細に身体をとらえる感覚とリラックスしながらポーズをとる感覚。それが全ての立ちポーズの基本になります。

タダアーサナで働く筋肉

できればバランスで構造にうまく乗せて立っていたいタダアーサナですが、最低限働くであろう筋肉があります。それが、主要抗重力筋。(人によって骨格の違いがあり、一概には言えません)

①頸部伸筋群
②脊柱起立筋群(人間は重力に対して背骨が直立なので)
③ハムストリングス
④ヒラメ筋(大地に対して一番下で下腿を支えます。遅筋線維の割合が90%)

筋肉の活動としては、小さい運動単位の遅筋線維が働くことになります。(強く働くわけではないので注意)
微細な収縮と弛緩が繰り返されながら、最終的には静止できるように集中しましょう。(山のように)

姿勢を支えるインナーマッスル「抗重力筋」の記事はコチラからどうそ

タダアーサナのアライメント(理想的な位置)

正面から見ると、足の親指の間、恥骨、胸の中心、鼻先が一直線に並んだ姿勢になります。
横から見ると、外果前方、膝蓋骨後面、大転子、肩峰、耳垂が一直線に並んだ位置になります。

でも、横から見たラインの理想的な位置に、初めから無理に合わせようとすると、それが過剰な努力になってしまうかもしれません。
過剰な努力は、過剰な緊張となります。
まず一番は体の感覚を大事にしましょう。
目で見て理想形を確かめるのはあくまでも補助的にとどめます。

関節は重力に対して進化したので、適切な重さがかかると関節面は反発しあい、スムーズに可動するようになります。そして、正しい位置に収まろうとしてくれます。
関節の中には水分があり、プールに浮くような感じで、面が触れ合うことなく、滑っていきます。(水風船を押したようなイメージ)

自分の体のどこに力が入っているのかよりも、重力に対して体がどういった位置にあるのかに意識を向けて、時間をかけて正しい位置を作っていきます。

構造を正しい位置に乗せるように意識をして、ただ自分の整う力に任せてみましょう。

 

タダアーサナのやり方

  1. 足先をそろえてまっすぐに立ちます。両足の親指をくっつけて、かかとはわずかに開きます。小指側が平行になります。
    足の裏全体に体重を満遍なくかけるようにします。(足指を持ち上げて開いて、床に置くと足の裏全体が伸びます)
  2. 膝は伸ばしすぎず、ほんのわずかに膝のお皿を持ち上げように意識をします。同時にお尻もほんのわずかに閉めるようにます。
    (少しの時間下半身の安定、バランスを意識していましょう。上半身はこの時点では多少傾いてもOK。下半身が落ち着いて安定することを確かめます。前後、左右に小さく揺れて、真ん中を確かめるやり方もあります)
  3. お腹は緩めずに、少し引き締めます。頭のてっぺんを気持ちよく天井に引き上げて、足の裏で床を少しだけ押して、骨盤の真上に頭を積み木のように乗せてバランスをとります。
    顎を楽に引いて目線は真っ正面。視点は合わせません。(姿勢を良くしようとして、後ろに反るように力んでしまうと、それが緊張になって深く呼吸することができません。背骨は長く、そしてうまく乗せるように意識をします)
  4. 肺は首の付け根まであります。下腹部から首の付け根まで満遍なく気持ちよく呼吸をします。

身体への意識:
わずかに足の裏でグッと地面を押すようにすると、反発する力で頭のてっぺんが持ち上がるように感じるはずです。足の指先から頭のてっぺんまで全体が1つになっていることを意識しましょう。
部分的な動きの修正や意識はほんのわずかです。いずれその努力も手放すようにします。
一番はリラックスをしていること、自然でいること。本当にリラックスできる位置に自分を置くことが大事です。

呼吸への意識:
呼吸をするとき体がどう動くか感じます。
呼吸のたびに体の中心が楽になり、広がるのを感じましょう。
足の裏から呼吸を吸って頭のてっぺんまで身体中を満たすように吸い上げたら、足の裏から大地へと返すようにします。

 

タダアーサナの準備としてオススメの筋トレ

体を支えるための筋肉、抗重力筋(インナーマッスル)がうまく機能していなければ、本来休んでいいはずの他の筋肉が、身体を支えるために動員されることになります。

タダアーサナを安定してとるためには、抗重力筋がしなやか保たれて、自然にバランスをとってくれることが大事です。

特にタダアーサナの準備としてオススメな運動をひとつご紹介します。
下腿をしっかり支えるための、ヒラメ筋の運動です。
下腿の安定は、その上にのる身体(腰や上半身)の安定とリラックスにつながります。

 

ヒラメ筋の役割とトレーニング

ヒラメ筋は人体の中で一番遅筋線維の割合が多い筋肉です。
瞬発的な力を発揮することはできないけど、持続的に体を支えているということが言えます。
下腿の筋肉は遅筋線維の割合が多いですが、その中でもダントツです!

なので、ヒラメ筋は、立った姿勢を一番下で支えてくれている筋肉と言えます。

『オススメの運動方法』

  1. テーブルの上に手を置いて、体重を足だけでなく手にも分散する。できるだけ体の力を抜いて、全身をリラックスします。
  2. かかとを持ち上げる方向(つま先立ちの方向)に運動する。(遅筋線維は、運動の最初の方で小さい負荷に動員されていくので、かかとを持ち上げる必要はありません。むしろできるだけ小さく運動します)
  3. 50回かけてだんだんと運動を小さくしていく。
  4. 50回かけてだんだんと運動を大きくしていく。(大きくといってもかかとが浮くか浮かないか程度でOK。筋肉の収縮が感じられればいいです)

この運動を丁寧にした後にリラックスしてタダアーサナをとってみてください。
身体が良い位置に落ち着いていくはず!

ふくらはぎの筋肉ついて詳しくはコチラから

 

立ちポーズの基本となるタダアーサナ。
何気なく流すのではなく、一つのポーズとして大切にしてみてください。
タダアーサナをとっているようなイメージで日常を過ごせると、余裕が生まれてきます。
心も体も安定して過ごすことができるようになります。