ヨガでからだを痛める人が多い理由 取りくみかた3つのポイント

「ヨガで体を痛めました」という声をよく聞きます。
最近はヨガで6〜7割の人がなんらかの怪我をしたことがあるというお話も聞きました。

大半の人はヨガのポーズは、からだを整える、からだを良くするためにしますよね?

せっかく練習しているのに怪我をしてしまうのはもったいないし、ヨガってそもそも怪我をするようなものではありません。

今回は、ヨガでからだを痛める理由を考えたいと思います。

「そんなやり方をしていたら体を痛めてしまうよな」という場面を見かけることもあって、
大袈裟かもしれませんが、怪我に向かって体を痛めつけるようにアーサナをしている人もいるので気をつけてほしいと思います。

 

ヨガでからだを痛めることはない

ヨガのアーサナ(ポーズ)は、瞑想で長い時間座っていられるように、そして、からだと心を自由自在にコントロールすることが目的です。(インドでヨガはアーサナだけが目的ではなくて、生活や考え方などの教えでもあり、幸せに生きることすべてを含める要素があります)

ヨガ発祥の地インドでは、修行をしている人たちの目的は宇宙と一つになること。解脱すること。
きれいになるとか、やせるとか、たくさん汗をかくとか、ストレス解消だとか、そういったことが目的ではないです。
おそらく、筋肉の使い方、関節の正しい動かし方を重要視しているわけではないと思います。

でも、行者さんたちは、日々の生活の中で歩くこと、座って静かになって感覚に耳を澄ませること、アーサナなど、いろいろな体験のもとに、自分自身の体に対する身体感覚も研ぎ澄まされているそうです。
ここで大切なことは『からだに対する身体感覚を研ぎ澄ませる』ということ。

ヨガでからだを痛めてしまうということは、身体感覚がわからないから。
スポーツの怪我とは違います。

日本のヨガは欧米からの影響が大きいんじゃないかと思います。
『ヨガ=ポーズを取る』ことが一般的です。
体を鍛えて心や精神も整えていくというイメージ。エクササイズ的なイメージがあります。

ヨガで怪我をする根本的な理由はここにあるんじゃないかと思うんです。

『ヨガ』=自分自身の感覚を研ぎ澄ませる練習。自分の体から発する感覚を受けとる練習。解脱する。
『エクササイズ』=体を鍛える、心を整える、ポーズをとれるようになると健康になる、きれいになる

ヨガのポーズはからだを使って身体感覚に気づくプロセス。その練習でもあります。(エクササイズとは少し違います)

アーサナ(ポーズ)をとるときには、自分自身のからだの感覚を一番大切にすることです。
人のからだは負担があると苦しかったり、痛みがあったりきちんと訴えてくれる能力があります。
でも、外のことに注視しることに慣れすぎて、その感覚が鈍っていたり、気づきにくくなっていたりします。いつも無視してきたのなら尚更です。

ヨガを正しくしていると、からだの感覚が研ぎ澄まされてくるので、反対にヨガで怪我をすることはなくなるのが本来です。
負担があるようなことは自分で気づくようになります。
「このポーズはこの形だからマネしないと」「先生がこうやっているからわたしも同じようにやらないと」と思っていると自分の感覚を見失います。

足るを知る

ヨガの教えの中に『サントーシャ』=「足るを知る」という教えがあります。
サントーシャとは、(今自分が持っているものに気づき、満足することを心得る)ということです。
『物欲や相手をうらやましがるようなことはせずに、今自分が持っているものを知るだけで幸せはありますよ!十分ですよ』ということ。

これは『からだ』にも置きかえられます。

僕たちのからだには、『感じる力』『やわらかい弾力(またはやわらかく変化する機能)』『自然治癒力』『反射作用』『代謝』たくさんの能力がもうすでに備わっています。

今自分の持っているものの中で最善なことをするだけで充分なんです。
そうすれば怪我をすることもないですし、自然にからだはより良い方向へ変化します。

もしもからだのことを学ぶなら、【私にはなにがもうすでに備わっているのか?】【私は今すでにどれだけ豊かなのか?】も学んでみてはどうでしょうか?
無理しなくていいじゃん!ってなります。

 

 

ヨガでからだを痛めてしまう3つの理由

どんなふうにヨガを実践しているのかが大切なポイント。

今回は、からだを痛める取り組みかたについて3つあげたいと思います。

 

ポーズの完成形を目指している

ポーズの完成形を目指していることが一番大きな理由かと思います。

ヨガのポーズはアートとも思えるくらいキレイにできる人もいて、キレイでかっこいいので「わたしもカッコよくポーズをとりたい」と思ってしまいます。
これは見た目としてはすごくいいお手本なのですが、その通りに、その人の感覚通りに実践すると痛めてしまうかも。

なぜなら、体も心も人それぞれ個性が違うからです。その個性に応じた進み方があります。

見本となる人と自分のからだには違いがあるかもしれないので、素直にきいて実践してみて参考にしながらも、自分の感覚を大切にしてください。あなたの感覚はあなたにしかわかりません。

急にポーズの形を目指そうと思っても、難しい人もいます。
個性は別々のものなので、みんなが完璧に同じポーズを取れるかといえば、それは無理がある。

ヨガの教えには『結果に執着しない』という教えがあります。
先の結果(ポーズの完成形)に執着せずに、今の自分のからだが少し楽になる感じ、ゆるむ感じ、正しい位置におさまる感覚などを優先します。
そのうち勝手にポーズが変化するのが、からだのすばらしいところです。

「今の私」を考えて実践 ポイント2つ

個性は人それぞれですが、「みんなが共通しているもの」はなんでしょうか?

  1. 今の私よりも一歩進むという取り組み方
    これは誰にでもできます

    体が硬くても、高齢者でも、女性でも男性でも「一歩進む」という方向性を持つことはみんなできます。「今の私の感覚」を傾聴して、自分の一歩を進めます。
    そのためには『感じる』という感覚をフルに使って高めていきます。(何か小さな一歩を踏みだしている。わずかに変化した感覚)
    ポーズの形ではなく、「感じる力を身につけよう」という心構えで実践します。
    そうやって実践すると、ゆくゆく体は変化します。
  2. 自動的によりよい方向へシフトするからだのシステム
    先ほどもあった自然治癒力や反射作用などです。
    例えばポーズをキープすると、だんだん疲れてきたり、プルプル震えてきたり。あれは体が勝手に調整しようというシステムが働いています。
    そういったからだのシステムが自動的に変化につながるので、ある意味「からだにお任せ」してもいいんです。
    次のポーズへ自然に進みやすくなります。

 

 

体が持っている能力を信じられない

身体の反応に従うことができず、次々に進めていこうとするのもからだを痛めてしまう理由です。
それは無智であり、自分のすばらしさに気づいていない証です。

自分の持っている能力を知らずに、がむしゃらに実践して、ないものを手にいれたいかのようにからだを酷使していることもあります。
からだを信じてあげられていない。

からだのことを学ぶと、自分が持っている能力のすばらしさに気づきます。
なにも新しいものをどんどん手にしようとする必要はありません。

例をあげてみます。

  • 骨折
    人には、骨が折れたら『治る』という能力があります。がんばったからといって、すぐに治るわけではありません。「骨が折れた。修復しよう」と、体が勝手に時間を使って行っています。身体は徐々に必要な変化をして骨折は治ります。
  • 腕立て伏せ
    腕立て伏せができないのであれば、まずは腕で体を支えるだけでもいいんです。
    体はその刺激に対して強くなろうとします。
    毎日少しずつ刺激を加えると「またこの刺激が来たんだな。腕で支える力も必要なんだな」と、体は勝手に強くなるように変化してくれます。
    腕立て伏せをするのは、その次のステップでいいんです。

体は、ただがむしゃらにがんばったからといって、すぐに変化するわけではない、ということです。

自分のからだの持っている能力を活用する

人の体は、勝手に変化する能力が備わっています。これもみんな共通に持っている能力です。その能力をめいっぱい活用します。

無理して鍛えるのではなく、自分の持っているリソース(資産、資源)をまずは知って、無理なく淡々と進んでいきます。

今日も適切で適度な刺激を実践し、わずかに少しずつ、変化する自分を感じながら進めましょう。
ヨガをしている人はコツコツと適度に続けている。もしくは毎日時間をとって実践します。

もしも、自分の体の感覚に確信を持てなければ、体の仕組みを学んで「こういうことが私の中で起こっているのね!」とわかると、役立ちます。
テクニックもたくさんあるので、このブログでも紹介していきますね。

 

がんばりすぎてリラックスを忘れている

努力をすることが美徳とされていた日本では、それがいきすぎて、
「がんばらないといけない」
「努力しないと成果が出ない」
「人よりも何倍も練習しないといけない」と、
思う方が多いように感じます。

でも、はそのようにはできていません。(心もそのようにできていません)

体はポジティブな感覚、楽しい、気持ちいい、リラックスしている、という感覚と共に緩んで、拡張していきます。

ワンポイント
筋膜は平滑筋様細胞を含んでいるので、辛い、怖い、痛いなどの感覚があると、身を守るために緊張して伸び伸びと自由に緩むことができなくなります。
ヨガはリラックスして行うのが基本です。

「がんばりすぎる」「焦る」など心の緊張。体の痛みやツッパリ感、緊張しているのにストレッチをしていこうという行為は、アクセルを踏みながらブレーキを踏んでいるのと一緒です。

「どうしてもがんばってしまう」「結果を求めてしまう」「焦ってしまう」という人の方が、圧倒的に体を壊してしまうことが多いです。
これはヨガの実践者でも陥る罠のようなものです。体が硬いから、ということだけが体を壊す理由ではありません。

「リラックス」「気持ち良さ」と共にポーズを実践

ポーズを毎日しているヨガの実践者は努力しているかもしれませんが、その行為の中に「静かな感覚やリラックス、心地よさ、ポジティブな感覚」を感じながら行っています。

その結果として、ポーズが深まっていきます。

体が硬ければ硬いほど、マイペースに「結果よりも自分の中にある心地良さ」と共にポーズをとりましょう。

 

ヨガでからだを痛めてしまう理由のまとめ

最後にヨガでからだを痛めてしまう理由から3つの心構えをまとめてみます。

  1. ポーズの完成形よりもからだの感覚を大切に!
    自分の身体感覚を感じずに、見た目のポーズを追い求めてしまう傾向に注意。
  2. からだの変化するスピードや変化する能力を信じて!
    自分をもっと信頼して変化を確信して、任せてもいいんです。自分のもっている能力を知らないのはもったいないし、無智ともいえます。
  3. ポーズの中にもリラックスする感覚!(がんばりすぎない)
    トレーニングではないので、ポーズの中にもゆるむ、リラックスする要素が大切。

私たちの体の中ではいろいろなことが常に自然に起こっています。
その能力を知って、信じて、感じながら実践することでポーズは徐々に変化します。そういう心構えで行うと、自然に自分自身の素晴らしさに気づいて感謝が生まれてきます。

『なんて自分は素晴らしい機能を持っているんだろう』

楽しみながら気持ちよく実践してみてください。