体は食べ物で作られています

現代ヨガでは解剖学の知識が必要!それには理由があった!

伝統的なヨガとは瞑想だった

ヨガはエクササイズでも筋力訓練でもストレッチでもありません。
本来は瞑想をして『心、身体、魂の調和』に気づくこととされています。

ヨギ、ヨギーニの中にはそういった古典的な哲学を大事にして、
ヨガに取り組んでいる人もいますし、
反対にエクササイズの延長上として、体を鍛えるためのものと捉えている人もいると思います。

どちらにしても、ヨガを行う上で行なっているポーズ、アーサナは身体を扱うということは共通しています。

ヨガの古典的な本を読んでいると、実は今ほど解剖学的なことはでてきません。
ポーズのお話も、
身体を浄化するためだとか、
各ポーズは神様と一体になるためだとか、
肉体を神殿と考え、感謝してポーズを取りながらチャクラに集中する
と言われます。

近代、クリシュナマチュルヤがヨガのアーサナを現代的に分かりやすく人に伝えて、アーサナの重要性は世界中に広まりました。
最近のヨガブームで、エクササイズの要素が加わり、
スタジオでもいろいろなヨガの形になって普及しています。

なぜ、ヨガがエクササイズ的になっているのか、解剖学的なことを多く取り入れているのかを考えてみたいと思います。

 

なぜ今解剖学的なヨガ、エクササイズ的なヨガなのか!

西洋では物事を科学的に捉えるように発展しました。
より分解して細かく分けて、専門的になって、素晴らしい発展をしてきました。
今もその発展は続いています。

その一方で徐々に東洋の価値観を見直し始めています。
最近では医療でも、キネシオロジーや経絡が再度認められ始めていますし、
アインシュタインらの量子物理学が発展して波動医学の分野も広まってきています。
瞑想の効果も科学的に証明され始めました。

反対にヨガや東洋医学は科学を吸収しています。
ヨガのレッスンでは、解剖学的な目線で指導するインストラクターもいます。
ポーズで体を痛めてしまうリスクもあるので、指導する人も体の知識が必要ではないかとも言われるようになりました。

東洋と西洋の両方が歩み寄ってお互いが進歩している、とても面白い時代になっています。

 

ですが、

昔の人は今ほど解剖学を知らなかったはずなのに、アーサナを通して素晴らしい気づきが多かったようです。
アーサナによって体を壊すことも少なかったそうですし、腰痛なども少なかったそうです。

それはなぜなのか?
今回そのことに触れている面白い本を、アシュタンガヨガの本の中に見つけました。

ちょっと抜粋します。

その昔、ヨギはポーズを楽に正しく行うことができた。
というのも、人々の心は習慣的に、停止(ニローダ)または一点集中(エーカーグラ)していたからである。

2011年 ガイアブックス グレゴール・メーレ「アシュタンガ・ヨーガインターミディエート・シリーズ」 P64 より引用

古代の人たちは一般的に、心を停止(ニローダ)させて、魂に再吸収する能力があったので、魂の入れ物である神聖な身体を『客観的に見る』ことが可能でした。常に身体的にも本質を保つことができていました。

その後の時代はニローダの(心を停止させる)傾向はなくなったそうですが、人々は心を長い時間、深く集中すること(エーカーグラ)ができていたそうです。
意識をすれば、自分の身体の本質をすぐに理解できたようです。

しかし今の時代、私たちの心や体は、お金や時間、欲しいもの、家族、周りの出来事に惑わされています。
過去の罪悪感に囚われたり、未来の願望を現在に投影しながら生きています。
昔の経験から今の出来事をジャッジするとか、将来の不安を考えるなど、心はあっちへ行ったりこっちへ行ったりしている人が多い。
なので、物事の真髄を直接見ることができない現代人は、身体を正しく捉えることが難しくなっています。
上記の本によると、
アーサナを正しく行うためには明確な指示が必要と経典に書かれているとのことです。

どうやら昔の人々は、心をきちんとコントロールすることに優れていたので、自分の身体の本質を正しく捉える、または正しくコントロールする能力があったようです。
しかし、現代の人々は、昔の人ほど心のコントロールができず、真髄を直接見れないので、身体の本質にも気付きにくい。
きちんとした知識のもとに行わないと、身体を壊したり、痛めたりするかもしれませんよ。ということでしょう。
この『明確な指示』とは、最初の段階では『解剖学の正しい知識』または『その知識を持った人の教え』とするのが良いように思います。

そこで、僕たちは
①体の知識をもとに正しくアーサナをして、
②身体の正しいコントロールをまずは覚えて、
③身体に捉われることから解放されて、
④いずれは心もコントロールできるようになっていく。
という手順が、ヨガのアーサナを実践する上で有効かもしれません。

ラッキーなことに、今は割と簡単に解剖学の知識が手に入りやすいです。
それも必要だからみんなの目に入りやすいように広まっているのだと思います。

「教科書のようなポーズは取れているけれど腰痛がある」とか、
「痛くてもがんばってやるほうがいい」と思っている人もいます。
それは大きな間違いです。
解剖学を通して身体を知ることで、必要な痛みと不要な痛みを判別して、体の悩みをどんどん無くしていくことに役立てることができます。

いろいろな人がいて、身体は三者三様です。
どの知識を自分に当てはめたらいいのかわからないこともあると思いますので、インストラクターや専門家に相談をしながら、身体の進化、心の進化に役立ててください。

正しい知識を持ってすれば、いずれポーズは深まります。
体を壊すことなく、反対に治療のようになり得ます。
人によっては身体の性質上、能力の限界を知ることができて、自分らしい無理のないアーサナを行えます。

エクササイズとしてヨガを取り入れていくこともいいですし、
その先にサマディー(三昧)を目指してもいいと思いますが、
解剖学の知識が役立つ人は多いのではないでしょうか?
ぜひ少しずつ知識を蓄えて、自分のために役立ててほしいと思います。