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伸張反射を利用して、トレーニングとストレッチの効果をアップ!

伸張反射とは

私たちの体は頭で考えて動く以外にも、無意識に行なっている動きや、反射的に起こる動きなどがあります。
心臓の動きや汗をかくのは自律神経による調整で、無意識に行われています。
熱いものを触ったときに手を引っ込めるのは無意識に起こる反射的な動きです。

その中で、伸張反射というものがあるのですが、どのような反射なのでしょうか?

伸張反射とは、筋肉が急に伸ばされると、その伸ばされた筋肉が収縮するという現象です。
伸ばされると収縮する?矛盾しているようにも感じますが、実は体の中でこの反射はいつも起こって、大活躍しています。

 

伸張反射は気づかないが、いつも起こっている

立っているときや座っているとき、日常の中で姿勢を保つために、筋肉は長さを一定に保つように細かく働いています。伸ばされたらすぐに筋肉を収縮をさせ、姿勢を補正しバランスを取っています。これが伸張反射の役割です。
例えば、隣の人と肩がぶつかっても倒れない、揺れている場所で立位を保持していられるのも、伸ばされたら収縮するという伸張反射があるから。つまり、
伸張反射は姿勢調整するために重要な役割を果たしているのです。

 

伸張反射は筋肉を守る

もう一つ伸張反射には大事な役割があります。
それは筋肉が損傷しないように防御する役割です。
筋肉は急激に伸ばされたり、過剰に伸ばされると断裂してしまうかもしれません。ゴムを思いっきり引っ張ると切れてしまうように、筋肉も急に激しく伸ばすと切れてしまう危険があります。これを防ぐために伸張反射が働きます。
筋肉内には筋紡錘というセンサーがあって、筋肉が伸びたことを感知すると、切れてしまわぬよう収縮させる運動が起こる仕組みになっています。

 

伸張反射の仕組み

それでは、この伸張反射を利用することで、どんなふうに身体を変えていくことができるのかを考えてみます。
まずは、伸張反射はどのような仕組みで起こっているのでしょうか?

まずは、基本的な仕組みを覚えてみましょう。

① 筋肉が伸ばされると、筋紡錘というセンサーが伸ばされた刺激を感知します。
② 筋紡錘で感知した信号は「Ia線維」という神経を伝って、刺激がきましたよーと脊髄に伝えます。
③ すると脊髄はその筋肉を収縮させるように「α運動神経」に命令を流して
④ 筋肉が収縮する

 

一番わかりやすいのは膝蓋腱反射(カッケ)です。
膝のお皿の下を叩くと膝がポンっと伸びる反射。
この反射は

  1. 膝の下の腱(膝蓋腱)を叩くと、腱がつながっている大腿四頭筋が一瞬引っ張られて、筋紡錘が伸ばされたことを感知する
  2. 反応は「Ia神経線維」を伝って脊髄へ
  3. 脊髄で「α運動神経」に命令を出す
  4. 収縮しなさいという命令を受けて、大腿四頭筋が収縮するので、結果として膝が伸びる

このような仕組みで起こっています。

 

伸張反射を利用したトレーニングとは

伸張反射を利用したトレーニングに【プライオメトリクス】というトレーニングがあります。
このトレーニングは伸張反射を利用して、瞬発的な力を高めるトレーニングです。
主にスポーツ選手に有効な方法。

例えばジャンプをするとき、

  1. 地面に足を接地するときにふくらはぎの筋肉を急激に伸ばします。するとふくらはぎの筋肉の中の筋紡錘が伸ばされた刺激を感知
  2. その刺激は「Ia神経線維」を伝って脊髄へ
  3. 脊髄で「α運動神経」に命令を出す
  4. 収縮しなさいという命令を筋肉が受けたのと同時にジャンプをする

伸張反射は、筋肉を守るための仕組みなので瞬時に収縮します。この仕組みを使ってジャンプすることで、瞬発的な力を高めていくトレーニングになります。

 

スポーツの具体的な例としては、
・野球のピッチャーが投げるときに、大きく瞬時に胸を伸ばしてから投げる。
・サッカー選手がボールを蹴るときに、素早く足を後ろに振り上げてから蹴る。
これらは伸張反射を利用して、爆発的な力を出していることになります。

このように伸張反射を利用することで、瞬発的な動きを可能にします。
反射作用を強化することはスポーツ選手にとっては非常に有効なトレーニングになるはずです。

ただ本来は、筋肉が引き伸ばされて断裂してしまわないように、この反射が備わっています。
反対に言えば、このトレーニングの内容は筋肉を痛めてしまいやすいんです。
筋力と柔軟性をしっかりとつけて、正しいアライメントで行うなど、できれば自分の身体づくりがある程度できてから、きちんとした方法で行うようにしましょう。
特に年齢を重ねてからの、急な激しいトレーニングをすることは要注意です。

 

伸張反射を理解したストレッチとは

ストレッチで伸張反射が出てしまっては、筋肉は伸びません。(筋肉が収縮しようとする反射のため)
なので、できるだけ伸張反射を緩めながら行う方が筋肉は伸びていきます。

先ほどの【プライオメトリクス】は伸張反射を強く出して瞬発力を高めるトレーニングでしたが、それとは真逆になります。

瞬発的な力を鍛えるトレーニング →  伸張反射を強くだす
ストレッチ →  伸張反射を抑制

厳密にいうと、伸張反射には2種類あります。

・『相動性伸張反射』→筋肉が伸びる速さに反応する反射
・『緊張性伸張反射』→筋肉の長さに反応する反射
があります。伸張反射を出したくないのであれば、これを抑えるようなことをすればいいということ。

 

ゆっくりと時間をかけて行う

伸張反射がゆるむには時間がかかります。
筋紡錘の興奮が弱まるのは、だいたい10〜15秒くらいかかると言われているので、それよりも短い時間だとストレッチの効果はあまり期待できません。
伸張反射を緩めてからストレッチをするには、30〜60秒くらい時間をかけてゆっくりと行うようにします。
また、強さが強いと、それに抵抗しようとして(筋肉の断裂を守ろうとして)ゆるむのに時間が余計にかかります。反動をつけて行うよりも、優しく動作を行った方が緩みやすいです。

 

少し戻してから再び伸ばす

筋肉の長さに対しても伸張反射が働いてしまいます。
それを抑えるために、ストレッチで伸ばした状態を作ったら、そこから少し戻します。
すると、筋肉のセンサーは「あ、ゆるんだな」と少し興奮を弱らせてくれるので、そこから再びゆっくりとストレッチ(筋肉を伸ばす)していきます。

とても体が硬くて、普通にストレッチしてもなかなか伸びないという人は、この伸張反射の性質を利用してみてください。

 

まとめ

反射は私たちの無意識下で起こっています。そのため、反射自体を自分でコントロールすることは難しいです。
しかし、伸張反射がどんな仕組みなのかを知ることで、トレーニングやストレッチをより効果的にしていくことができます。

おすすめの例として

  1. スポーツ選手 →   伸張反射を利用したトレーニング【プライオメトリクス】を取り入れること(体を壊さないように注意)
  2. ヨガ →   伸張反射を抑制しながらポーズを深める(体が硬い人は特におすすめ)

ぜひ運動に取り入れてみてください!