体は食べ物で作られています

速筋線維と遅筋線維の特徴 【特性から考えられる役割と鍛え方の違い】

骨格筋には速筋線維と遅筋線維がある

速筋と遅筋って聞いたことはあるでしょうか?
私たちの体の筋肉には ”速筋線維” と ”遅筋線維” があります。

言葉の違いがあるくらいなので、役割や性質に違いがあるのですが、動いているときは、はっきりと明確に感じているわけではありませんよね。

でも、実はいろんな筋肉の質があって、それが連携して、私たちは立ったり、歩いたり、ジャンプしたりしています。
体を支えるために働くのも筋肉、重いものを持つ時に働くのも筋肉。
役割も特徴も筋肉ごとに違いがあります。

それでは、この筋線維の違いについて考えて見たいと思います。

 

筋線維のタイプ

骨格筋には、速筋線維と遅筋線維があります。
より細かく分類すると3種類の筋線維があります。

1、ST線維(タイプⅠ線維):遅筋線維
収縮速度は遅いですが、耐久性があり、長時間の持続的な収縮が可能です。有酸素細胞呼吸でエネルギーを作ります。

2、FTa線維(typeⅡa線維):速筋線維
FT線維、ST線維の両方の性質が合わさっている。収縮速度が早くて、比較的疲労もしにくい。有酸素細胞呼吸でも無酸素解糖系でもATPを生産できます。

3、FTb線維(typeⅡb線維):速筋線維
収縮速度が速くて、発揮する張力も大きい。短時間で、瞬発的な運動に力を発揮しますが、すぐに疲労します。無酸素解糖系によってエネルギーを作ります。

3種類の筋線維は一つの筋肉に混在しています。
『この筋肉は速筋線維でできています』『この筋肉は遅筋線維でできています』
と、はっきりわかれているのではなくて、一つの筋肉に両方の線維が混じり合っているんです。
ただ、その”割合”が違うんですね。

筋線維を鍛えることによる質の変化

筋線維の割合は、遺伝的な要因と、個人差、人種の差によって違いがあるという研究もあれば、その筋肉が行う活動に関係があるという人もいます。

遺伝があるとすれば、同じ走るのでも、マラソンが得意な人、短距離走が得意な人がいることになります。
筋線維の変化なのですが、速筋線維は遅筋線維にはならないですし、遅筋線維は速筋線維にはならないとも言われていて、運動能力は先天的なものにある程度は影響されるかもしれません。

でも、TypeⅡa線維はTypeⅡb線維に移行することはありますし、その逆もあります。(速筋線維の質の変化)
先天的なものはありますが、運動の仕方、鍛え方によって、自分をコントロールしていくことはできるんです。(トレーニング次第な部分も大いにあるということ)

スポーツをしている人は、その種目によって、鍛え方、運動の仕方を変えて、自分の体を作って行く必要があります。
健康でバランスの良い身体を作りたいのであれば、自分の身体の特徴を知って、適切に筋線維の質に合わせたトレーニングをすることが有効です。

 

速筋線維 

速筋線維の特徴

速筋は重いものを持ち上げたり、瞬間的に力を発揮するときに働く筋肉
普段日常生活ではあまり使われないので、ジムに行ったり、運動したり、意識的に鍛える必要があります。

別名は『白筋線維』『相性筋線維』と言います。
カレイやヒラメなどの白身魚のイメージです。普段はあまり動かないですが、獲物を獲るときは一瞬の素早い動きをします。

糖質をエネルギーとして使います
スポーツ選手がバナナなどを食べているのはそのためです。

白筋線維が多い筋肉では『弱化』『弛緩』『萎縮』が起こる傾向があります。
それを防ぐためには、特性を理解した上で運動をいていくことが効果的です。

速筋線維の鍛え方

重いものを持つ(強い負荷をかけるような運動)
速い瞬発的な運動
遠心性収縮
これらの運動で効果的に鍛えることができます。

速筋線維を鍛えると

筋肥大してするので、見せる体になる(ボディービルダーのような)
瞬発的な運動ができるようになることでパフォーマンスを発揮

 

遅筋線維

遅筋線維の特徴

遅筋は、姿勢を保ったり、関節を支えたり、微妙なバランスを保つ時に働く筋肉
日常で座っているだけでも体を支えるために働いています。
いわゆるインナーマッスル(深層筋)は、主に遅筋線維の働きによって活動する筋肉です。
全筋肉量の70〜80%が遅筋線維と言われています。

別名:『赤筋線維』『姿勢筋線維』と言われます。
マグロやカツオなどの赤身魚のイメージです。いつも回遊しているようなお魚は赤身です。
長時間活動できて、疲労しにくいのが特徴。

脂質をエネルギーとして使います。
マラソンなど長時間のスポーツ選手が細身な人が多いのはそのためです。

赤筋線維の多い筋肉は『拘縮』『短縮』『硬化』『筋緊張亢進』する傾向にあります。
ストレスによっても影響を受けます。
衰えることで関節の動きを妨げたり、隙間が狭くなります。運動のパフォーマンス、しなやかさが低下します。

遅筋線維の鍛え方

軽い負荷で回数を多くトレーニングする
ゆっくりと時間をかけて運動をする
求心性収縮をする
微細な収縮運動
ストレッチ
これらの運動で効果的に鍛えることができます。
特にインナーマッスルのような深部の小さな筋肉を鍛える際は、知識と意識を必要とします。
速筋線維よりも実は鍛えるのが難しいです。

遅筋線維を鍛えると

しなやかでバランスの良い体になる
マラソンなど、長時間の運動で耐久力が上がる
ダイエット効果(脂肪をエネルギーに利用できるようになる)

筋肥大はあまりしません。
インナーマッスルを柔軟に鍛えることができれば、しなやかでバランスの良い運動パフォーマンスを獲得できます。
怪我もしにくくなります。

筋繊維の特徴によるトレーニングの分け方

サイズの原理

一つの筋肉が働く時には、働き始める順番があります。
①運動の始まりや弱い収縮で十分な時は、小さな運動単位が活動します。【ST線維(遅筋線維)】
②それよりも強い収縮が必要な時には、少し大きな運動単位が動員される。【FTa線維(速筋線維)】
③最終的に最大収縮が必要な時は、大きな運動単位の活動も加わります。【FTb線維(速筋線維)】

この原理に則って運動するとしたら、
軽い負荷、ゆっくりと負荷をかけていく運動では →   ”遅筋線維”から筋肉の働きが始まる
強い負荷、瞬発的な運動では →   ”速筋線維”が活動する
ということになります。

遅筋線維から鍛える

遅筋を鍛えるとき、負荷は少なくても良いです。
過度な負荷をかけずに全身を緩やかに、しなやかに使うようなことが重要です。
特に【インナーマッスル】深部には非常に小さな筋肉があります。
もしそれらの筋肉が『拘縮』『短縮』しているときは、運動時に収縮をしていないかもしれません。イメージよりも小さく動かしてみることから始めることをお勧めします。(サイズの原理に則った運動)

遅筋線維は身体の土台になって、速筋が働きやすい環境にもなるので、スポーツをする人にとっても鍛える価値があります。(スポーツ選手もヨガを取り入れていますよね)

  • ウォーキング
  • ランニング
  • 太極拳
  • ヨガ
  • 解剖学を学んで一つの筋肉の小さな収縮運動から始める

速筋線維を使う機会を定期的に持つ

速筋は力を使う、瞬発的な動きをすることで働きます。
少しハードなこと、負荷がかかるようなことを実践します。
筋力訓練をするときは回数を多くは行えないくらいの強度(目安は10回以下)、遠心性収縮を取り入れるなどで実践します。(サイズの原理の例外)
スポーツなどは瞬発的な動きをするいい機会です。どうせなら楽しめるものがいいと思います。

  • ジムでの筋力訓練
  • スポーツ全般

まとめ

遅筋線維と速筋線維は両方が連携して運動のパフォーマンスを作っています。
人それぞれ個性があるので、自分にあったトレーニングを見つけられることが一番理想的です。

調和のとれた身体は関節への負担がかからないことやパフォーマンスの向上だけでなく、怪我をしにくい身体になり、循環や消化活動も整います。

速筋線維の運動と遅筋線維の運動で、バランスよく整えていきましょう。