等尺性収縮とは関節の運動を起こさないで行う筋肉の収縮様式です。動きは止まって見えるけど筋肉は収縮している状態です。
わかりやすく言うと、止まった状態での筋トレです。
一見すると「これは筋トレなの?」と思うかもしれません。
1番のメリットは関節面を守りながら筋トレできるところです。軟骨が減っているなど、関節に問題がある人でも実践しやすいです。
止まった場所で骨格を支えれるようになるので体を整えることや、鍛えることに役立ちます。
等尺性収縮は
・関節に負担をかけないでトレーニングしたい人
・体がゆがんでいる人
・筋トレをあまりしたことのないキャシャな人
・O脚の人 など
このような方も、関節に負担をかけずにトレーニングすることができます。
本記事では
「等尺性収縮トレーニングのメリット」と
「こーゆうのには向いてないよ」
という点を書きます。
等尺性収縮の特徴
等尺性収縮とは、関節の運動を起こさずに筋肉が収縮している状態。(静的収縮)
例えば、
・空気椅子のようにヒザと股関節を曲げて、かがんだ姿勢を保持している時の大腿四頭筋の収縮
・椅子に座って、ヒザを完全に伸ばして保持している時の大腿四頭筋の収縮
・ダンベルを持って肘を90度に曲げて保持している時の上腕二頭筋の収縮
などがあります。
筋肉が長さを変えないで収縮している状態です。
等尺性収縮トレーニングのいいところ5つ
関節を動かしながら行うトレーニングにはないメリットがあります。
トレーニングによる関節への負担が少ない
等尺性収縮運動の特徴は、関節の運動を伴わないで筋収縮すること。
関節の摩擦が起きにくいので、関節面を守りながら筋肉のトレーニングができるメリットがあります。軟骨が減っているなど、関節に問題がある人でも実践しやすいです。
関節がまがって動いてしまう(O脚など)、ずれる人など。
身体の支持性が向上
静的な筋収縮運動は身体の安定や支持性を向上させます。姿勢を保ちながら、支えるための筋肉をトレーニングしやすいです。
力が入りにくい関節の角度も鍛えることができる
ベンチプレスや重量挙げなど、瞬発的な力を発揮する場合で考えてみます。
こういった運動は、瞬間的に爆発的な筋収縮を起こし、勢いや反動も利用して持ち上げていることになります。
最初に強い力を発揮して空間に重たい負荷を持ち上げるのですが、上げ下げの途中ではその重さを保持しません。
また、同じ肘を曲げる運動でも、力を発揮しやすい角度と発揮しにくい角度があります。
等尺性収縮は力を発揮しにくい角度でも実践しやすいトレーニング方法です。
鍛えたい角度、格好で収縮させることができます。
工夫次第で、さまざまな角度にセッティングして筋肉を鍛えることができます。セッティングした角度で関節を安定させることにもなります。
ケガをしにくい
瞬間的に大きな力を出す運動や、ベンチプレスなど負荷に自分を合わせなくてはいけない運動は、トレーニング効果は大きいのですが、反面、筋肉を痛めてしまう危険もあります。
等尺性収縮のトレーニングは、自分の力に応じて負荷を決めれば、能力を超えた負荷になりにくい。比較的安全にトレーニングができるメリットがあります。
姿勢を崩さずに運動しやすい
負荷が大きい場合は代償動作が起こりやすいです →
→ 姿勢がくずれる → 変なクセがつく
例えば、手にダンベルを持ち上げるとき。
ヒジの屈曲で上腕二頭筋を使いますが、重さが大きいと、ヒジの屈曲と同時に背中を丸めたり、背筋を使って腰を動かす勢いで動作をしたり、さまざまな代償動作が起こりやすいです。
等尺性収縮でのトレーニングは位置をセッティングしやすい。セッティングした位置から姿勢があまり崩れることなく運動しやすいです。
等尺性収縮の不向きな点と注意点
等尺性収縮、その特徴がゆえの不向きな点もあります。
● 身体の連動した動きを作るには不向き
動作を起こさずに筋収縮をしているだけなので、連動した しなやかな運動、パフォーマンスを向上させることには向きません。
スポーツなどのパフォーマンス向上や、実際の運動は別で練習する必要があります。
● スピードはつかない
静止した収縮様式なので、動く時のスピードを向上させるには向いていません。
収縮性、瞬発力を発揮させるのは違うトレーニングになります。
● 動的な筋力訓練よりも筋肥大の効果は小さい
筋収縮の性質上、自分の力の最大限よりも超えてステップアップしていくことは苦手です。
目安もないですし、あくまで自分の感覚次第な筋力トレーニングになります。
ケガや損傷のリスクが少ない分、動的な収縮よりも筋肥大の効果は小さいです。
● 血圧の上昇に注意
力を数秒発揮し続けることになるし、力いっぱい押すことにもなるので、その間血圧は上昇します。
高血圧症や循環器に何か心配がある人は特に注意が必要です。
まとめ
等尺性収縮は関節に負担をかけずにトレーニングすることができます。
静的収縮なので一見地味ですが、とても応用の効きやすい運動でもあります。
強度の高い負荷がかかるトレーニングでは鍛えられない部分にも筋肉の収縮を作りやすいです。
動的収縮と合わせて行うことで、より効果的なトレーニングメニューを組むこともできます。