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【脛骨腓骨骨折した後の長びく痛みが改善】劇的に効いた筋トレ!

脛骨腓骨骨折の痛み【走ると痛みがあった】

脛骨腓骨骨折をして、リハビリを続けてきました。
荷重訓練を開始した時期、日常生活を普通に送れるようになった時期まではとても順調でした。生活にも特に支障はなくなって、ヨガ、登山もできるようになっていました。

ところが、、、
骨折してから1年以上経っているのに『全力でダッシュすること』ができません。走るとどうしても痛みがあります。その痛みはなかなか完全にはとれません。
プレートは入っていますが、主治医からは「スポーツをしても良い」とまで言われているのに、、。

ふくらはぎの筋力訓練は実施しているし、骨折前よりも太くなっています。体は柔軟性があり、すごくよく動けているのですが、走ることだけはなかなかできませんでした。
それと片足立ちのバランスが少し不安定かな?という感じ。

他の人のお話を聞いたり、調べたりしましたが、走れるようになるまで時間がかかる人は結構多くいるようです。

改めて、骨折の状態と下腿の解剖学を見直して、訓練の方法を検討し直し、実践しました。
そして、ある方法を実践したところ痛みがどんどん少なくなって走れるようになりました。

今回は、どんな方法を実践したのか。なぜその方法をすることに至ったかをご紹介します。

下腿の解剖学と骨折のときの状態

レントゲン写真、下腿の解剖学を並べてみた

この骨折をした時は出血がなくて、周りの筋肉などは大きく傷つかなかったと思っていました。
強いていうなら、腓骨の上の方が折れているので、ヒラメ筋の起始部に少し影響はあるかもしれないと思っていました。

緑のテープは骨折部です。
腓骨の上側には長腓骨筋、ヒラメ筋が付着します。損傷している可能性もあります。でも体感から、完璧に機能不全になっているとはあまり思えません。筋肉の付着部が広いので大丈夫だったのか?

一番ダメージが考えられる場所は、脛骨と腓骨の間の骨間膜です。
螺旋骨折という折れ方をしたこと、折れた時の感触から、『捻れ』と『横方向へのずれ』が瞬間的に起こったはず。今回の骨折では一番ダメージがあり得る部分かと思いました。

骨間膜のイメージはこんな感じです。(後ろから見た感じ)

この骨間膜自体と、脛骨腓骨の膜が付着するところに後脛骨筋が付着します。

こんな感じです。
赤は筋肉、ピンクは腱をイメージしてみました。

骨折してからのリハビリを見直してみた

骨折後のリハビリを考えてみました。
【非荷重の時期】〜むくみがあって、足首や足の指を自分で動かすのが大変な時期でした。大きく動かすことができないので、筋肉も関節も可動範囲が狭くなっていた時期。
【荷重訓練の時期】〜骨への荷重を開始してからは負荷の量を少しずつ増やし、骨がくっつくのを促進してきた時期。
【動作や運動の時期】〜全荷重が過ぎてからは歩くことや筋力訓練を中心に実施。

最初は大きく動かすことができなかったので、筋肉や筋膜は伸縮する機会が少なくて、弾力や柔らかさが低下していったはずです。損傷があったとしたら傷口は瘢痕化して余計固くなっていったと思われます。

リハビリは手術の次の日から始まって、骨折した足は初めからよく動かしていました。最低限の機能はキープできて、日常生活に支障がないレベルには達したと思います。
でも、『運動する時のような瞬間的な強い負荷』や『大きく動かすこと』『運動時の細かな身体の微調整』は練習できていませんでした。

荷重訓練を開始してからは骨を強化しました。
運動開始時期からは、ヨガや登山など、規則性を持った身体の使い方をしてきたと思います。

表面的な筋肉はとても鍛えられていると思うし、柔軟性も骨折前より向上している実感があります。
でもより細かな運動パフォーマンスや深部の筋肉を丁寧に鍛えることには不十分さがあったのかもしれません。

具体的な痛みと運動の観察

①走るときに痛みが出る瞬間は、足が地面に接地したとき
骨には痛覚がないので、痛みを感じているのは結合組織や軟部組織です。
後脛骨筋は脛骨の後ろ側、下腿のほぼ中心にある筋肉。
脛骨と腓骨の間にある骨間膜と脛骨腓骨の内側から始まる筋肉です。(上の写真を参照)
地面に足を接地した時、下腿後面で一番初めに収縮が始まる筋肉で、足首をコントロールするためにも重要な筋肉。
そして、地面への衝撃を吸収する足底アーチを作る役目をします。

骨間膜が固くなっていると後脛骨筋の働きも固くなっているはず。衝撃を吸収することが苦手になっているのかもしれないし、柔軟性がなくて痛みも感じやすくなっているのかもしれません。
実際にアーチの形も骨折後わずかに低くなっています。

②運動としては背屈位から足首を伸ばす方向に力が入りにくくて、片足立ちで支えるのが少し不安定な感じ
だいぶ後になってから気がついたのですが、段差にでつま先だけかけて踵を下ろして、そこから持ち上げてくる動きに力が入りません。
足首を背屈する時には、距骨が後ろ側に滑っていくのですが、この距骨は前側が少し広くなっているので、背屈すると脛骨と腓骨の間が少し広がります。(腓骨は上の方にも移動します)
この時、物理的には骨間膜は広がるはずです。

骨間膜が硬くなっているとすれば、背屈が苦手になっていると思うし、背屈位から力が入りにくいのもあり得ます。
あまりそういった運動はしていなかったので、リハビリが不十分だった部分かも。
後脛骨筋の力は強くありませんが、つま先立ちをするときに最初に働く筋肉。そして骨間膜が広がった位置(背屈)から戻ってくる運動なので、付着する後脛骨筋の働きも重要なはずです。

骨折後、背屈位から体重を持ち上げる運動はしたことがありませんでした。
 

実践したこと

解剖学との照らし合わせ、自分で運動している時の体感から、後脛骨筋を意識して鍛えてみました。
インナーマッスルなので、強度や負荷を強くトレーニングするよりも、小さな筋収縮が後脛骨筋にきちんと感じることが大事です。

元々足首の固い人は余計に繊細に始めることが有効。

つま先立ち(パターン1)

①2〜3cmくらいの段に、足の指の付け根より少し深くつま先をかけます。
②踵を床につけて、30秒くらい後脛骨筋、骨間膜をストレッチします。
③足の指の付け根、足の指で段を床の方向へ押し付けます。(ふくらはぎの奥で筋肉の収縮を感じる)何度か繰り返し行います。
④微細に、ほんの少し踵を持ち上げる方向に運動すると後脛骨筋が収縮します。
⑤収縮を感じたら力を抜いて踵を床に降ろして、後脛骨筋、骨間膜をストレッチ。これを50回くらい繰り返します。
 
*段の高さは自分に合わせて微調整。最初はあまり高くないところから始めます。角材、雑誌、ヨガマットを丸めるなど。
*下腿が前に倒れたり、前方への重心移動しないようにします。真上に上がるように意識します。
*踵を下ろしたら一度リラックス。1→2ではなくて、0→1にするような感じで筋トレします。
*回数は自由ですが、強度を弱く実施するので回数は多くできるはずです。

つま先立ち(パターン2)

①踵が着かないくらいの段差に、足の指の付け根より少し深くつま先をかけます。
②下げれるところまで踵を下げます。
③そのまま少しの時間我慢して、後脛骨筋をストレッチ。伸びた位置で等尺性収縮をします。
④わずかに踵を持ち上げて、下ろすを繰り返します。
⑤後脛骨筋が収縮しているのを感じながら実践。20回くらいを目安に、回数は自分に見合うだけ行います。

*バランスを崩して転倒しないように注意が必要です。何かにつかまって行ってもOK。
*パターン1に比べると踵を下ろした時にもある程度緊張があるはずです。より強いストレッチと支えるための強さが必要です。

つま先立ち(バリエーション)

上のパターン1、パターン2を丁寧に実践するのは同じですが、膝の曲げ伸ばしの角度を変えて行います。
①最初は膝をロックしない範囲で伸ばして行うのがやりやすいかと思います。
②膝を少しずつ曲げて角度をつけて実践します。

負荷、強度を上げたいときは片足での実践。(転倒に注意が必要)
③負荷を強くしたいときは、片足で①、②の順番を実践。

 

まとめ

骨折時はそんなに大きく動かない脛骨腓骨の間に、急激に大きな衝撃が生じるはずです。必ずではありませんが、脛骨や腓骨の骨折の際に骨間膜は影響を受けやすいと思われます。

深部の筋肉は拘縮、短縮しやすくて、硬くなりやすい特徴があります。固定期間があることで硬くなっていたようです。
最初から強い負荷で行うと、表層の大きな筋肉が代償して、深部の筋肉は働かなくても運動できてしまう可能性があるので、意識をして鍛えていくことをお勧めします。

運動のコツは
①意識的に行うこと
②最初は弱い負荷から始めること
です。(漸進性の原則)

下肢は支えるための役割もあるので、立って運動することで実用的な筋肉がつきます。(特異性の原理)

今回後脛骨筋の筋力トレーニングを実施したことで、走ると感じていた痛みが劇的に改善しました。
必ず誰もが同じ結果になるとは限りませんが、『いろいろ試したけど痛みがとれない』という方は試してみる価値があると思います。