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【土踏まずのアーチを保ち、走る推進力を向上させる筋肉】母趾外転筋の特徴と作用

  • 2019年1月23日
  • 2019年3月18日
  • 足部

母趾外転筋とは

足底にある筋肉は4層になっていて、その中でも母趾外転筋は最も浅い層に位置しています。
足底の内側縁に沿って存在している筋肉です。

英語では【abductor hallucis muscle】
abductor=『正中線から遠くに動かす』
hallucis=『母趾』
という意味です。

特徴

土踏まずのアーチ(内側縦足弓)を形成する筋肉。
歩行やランニングの時に、足部のアーチを保持することで推進力を得ることに貢献しています。
イチローはこの母趾外転筋がとても発達していることで有名です。
足の速さの推進力は、この母趾外転筋のおかげかもしれません。 

特に母趾外転筋は、回内方向への床反力に対して、過剰な回内を制御するために重要な役割を果たします。

 起始と停止


起始 ー 踵骨隆起(内側突起)、足底腱膜、屈筋支帯

停止 ー 第1趾(内側種子骨を介して、基節骨底の内側縁に停止)

 

支配神経

内側足底神経

働き

①母趾を外転させる(母趾を開く)
②母趾を固定した際は踵骨を引き寄せる。そのことで踵骨がほんのわずかに内転する
③土踏まずのアーチを形成する

 

母趾外転筋の作用

母趾基節骨を安定させる

歩行やランニングで踵が床から離れる時に、母趾内転筋と共に母趾基節骨を安定させる働きがあります。
母指内転筋は基節骨を内転方向に、母趾外転筋は外転方向に同時に引き合って、中足趾節関節(親指の付け根、外反母趾の部分)が安定します。
このことで、歩行やランニングの推進力が生まれます。
足の速さに大きく影響。

底屈運動に作用

長腓骨筋と共に第1趾列(母趾側)の底屈に作用します。

バランスをとる作用

サーフィンやスノーボードの上でバランスをとる時に作用します。
母趾(特に基節骨)を踏ん張り、横方向からの力に対して抵抗します。

足を固定している時の回旋運動

野球のスウィングやサーフィンなど、足元を固定した時の回旋運動で働きます。
母趾を固定すると、踵骨に内転する力を伝え、踵骨を内側にスピンさせる方向に引っ張ります。(踵骨の動き自体はほんのわずかです)
この運動連鎖は、脛、膝を外側に向けて、股関節の回旋運動、さらに上方への連動として伝わっていきます。
足を固定している時には、回旋動作の出発点として作用します。

土踏まずの形成

内側縦足弓を形成するのですが、特に荷重した時にアーチがつぶれないように働いています。
土踏まずを作ることで、姿勢や骨格を整える作用があります。
お相撲さんも、自分の体重+相手の押す力などに抵抗するため、とても発達しています。

逆に母趾外転筋が衰えて、扁平足になることでアーチが機能しなくなると、負の連鎖となり、脛骨が内旋し、膝へのストレスとなります。この運動連鎖は股関節にも伝わり、仙腸関節、腰椎、脊柱の弯曲にも影響してきます。

小さくてメジャーな筋肉ではないかもしれませんが、足趾を踏ん張ったり、回転の力を伝えるなど、重要な役割を果たします。
アーチ形成では下から骨格のバランスを取るために支えています。

母趾外転筋のトレーニング

Short foot exercise

①中足骨から基節骨までがまっすぐ一直線になるように指を置きます。(親指を広げます)

 

②親指の付け根を床に押し付けひっかけて、踵を遠くに離して置きます。

 

③親指を床に押し付けて、他の4本の足趾を浮かせます。(10回くらい実施)

④親指を床に押し付けて、踵がわずかに内側に回転するように意識をして、母趾外転筋を収縮させます。
(スネや膝が外側を向いて、お尻を締めるような感じ)

内側のアーチ(土踏まず)が、グッと盛り上がり高くなります。