手すりの選び方【立ち上がるときに適した手すり】

手すり選びの盲点

家に手すりを付けるとき、「ここにあればいいかなー」くらいの感覚で取り付けていませんか?

手すりが本当に必要になるのは、足腰が弱ったり、ケガや病気をした時です。
使う道具が適したものになっているかはとても重要です。

適した手すりを選べていないと
「立ち上がりにくい」
「階段が怖い」
「浴室の移動が不安」など
このように感じてしまいます。

 

手すりの高さや、必要な場所は考えますよね。
でも、あまり気にされていない「盲点」があります。

それは「手すりの質」です。
手すりの質によって、使う人の安心感、安定感が大きく変わってくるんです。

 

僕は訪問リハビリの仕事を経験しています。
たくさんのお宅に伺って、たくさんの手すりを見てきました。その経験から、適材適所の手すりの質について書きたいと思います。

今回は「立ち上がる場所で使う手すり」についてです。
考えるポイントをご紹介したいと思います。

 

立ち上がるときに適した手すりとは

手すりは「手を摺る」と書きます。摺るというのは軽くこするように滑らせるという意味なので、名前の通りの使い方をします。実際の生活場面では「握って掴まる」こともあります。

手すりを取り付ける時、
「滑らせるように使うのか」「握って掴まるのか」を考える必要があります。

立ち上がるときは「握って掴まる」ことになります。

 

握って掴まるときに考えることは
「握りやすさ」「滑りにくさ」この2つです。

 

1. 握りやすさ
手すりの握りやすさは「材質と太さ」によります。

・材質
室内であれば、木の手すりがベターです。
温もりがあって、手に一番なじみやすいです。

・太さ
手すりの太さにはサイズがあります。
一般的な太さは 32 、35(直径32mm、35mm)です。

 

立ち上がりに使う手すりは、握りやすさを考えると、細い(直径32mm)方がいいです。握る力が発揮しやすいからです。

おそらく廊下についている手すりは35mm。

「立ち上がりのためだけに使う」場合は、32mmがよいでしょう。
*手が小さい方は、もう少し細くてもいいかもしれません。

業者さんに聞いてみたのですが、ほとんど32mmは出ていない、とのことでした。35mmが一般的なようです。

僕は32mmがよいと思っているのですが「できれば32mm」程度に考えていただいて、太さの違うものを実際に握って、試してみるのがいいと思います。

 

2. 滑りにくさ
「摺る手すり、握る手すり」の違いで一番考えるべきことは滑りにくさです。太さよりも重要だと思います。

摺る →   ある程度滑る方がいい
握る →   滑りにくくする

明らかに違いがあります。

 

立ち上がる場所では、引っ張るような使い方をすることが多いです。

 

基本的に、立ち上がりで使う手すりは、凸凹(溝)のあるものを取り付けます。
できれば必ずそうして欲しいです。太さよりも重要!

指が溝にかかることで安定感があり、握る力、握る意識も少なくてすみます。

 

 

また、座った位置と、立ち上がる位置で高さが変わるので、手すりの凸凹がどんな位置から掴んでも必要な方向に支えてくれることになります。
これは縦につけても、横につけても同じです。

 

裏技・テニスのグリップテープを巻く

立ち上がりにくい(手が震えてしまうので掴まりにくい)と困っていた方が「一番いい」と言っていた方法があります。
手すりにテニスのグリップテープを巻く」

滑りにくいことはもちろん、程よい弾力があるので本当に滑りにくいです。指もなじみます。

黒い部分がテニスのグリップテープです。
デメリットは少し太くなってしまうこと。でも滑りにくいので、デメリットよりメリットの方が上回っています。

 

手すり上半分の肌色の部分は、手すりに巻く専用のテープです。こちらは「薄い」というメリットがあります。

真ん中のボールのようなものは「下から掴む時に手がかかりやすくなる」アイテムです。
これはサイズが大きいので、良し悪しかな?という感じ。
「手すりが高い位置にある」とか特別な時に使えそうではあります。

 

金額は?

業者さんによると、一般的な手すりのサイズ35mmでは、凸凹(溝)がついているものと、ついていないもの、値段が変わらないそうです。金額を気にする必要はありません。

32mmは少し違うかも?と言っていました。色々なものがあるのですが、室内で使う手すりはそれほど高くありません。

介護保険を持っている方は、1割の負担で取り付けられます。

 

注意点

注意点は凸凹(溝)の深さです。
もちろん深い方が指にかかりやすいのですが、関節の弱い女性や高齢者は、関節に負担をかける場合もあります。女性は適度な溝の深さにしておくと無難かも。

 

色はどう選ぶ?

立ち上がりの手すりを選ぶときは、デザインや特殊な形を選ぶことは少ないです。
でも、手すりの位置はわかりやすい方がいいので、壁の色と比較して、違いがわかるように選定することをお勧めします。
例えば、壁が白なら、濃いめの色にする。という具合にです。

 

まとめ

手すりの質について、相談される人は少ないです。

ちょっとした違いに感じるかもしれませんが、動きにくくなればなるほど、細かな違いが大きな違いに感じてきます。

特に立ち上がりの時はパワーがいります。握っている部分によって安心感が全然違います。
握りやすくて安定しているか、滑りにくいか、この2点を考えてみてください。

 

ポイント
・立ち上がるところで手すりを取り付けるのであれば、凸凹(溝)のついた手すりにする。

・手すりが滑るように感じるなら、滑り止めのテープを巻く。

 

どちらかの方法で工夫してみてください。

高齢化社会になっている日本。
できるだけ自分の力で、元気に楽に安全に行動できるように道具を選定してみてください。