短母趾屈筋の特徴と作用 【足の親指を曲げる筋肉 歩行では足部の制御に貢献】

  • 2019年2月10日
  • 2019年3月18日
  • 足部

短母趾屈筋とは

短母趾屈筋は足部の内在筋の1つで、母趾のMP関節を曲げる筋肉です。
足底筋群は4層になっていて、その中でも深層に含まれる3層目の筋肉。
この層には『母趾内転筋』『小趾対立筋』『短小趾屈筋』が含まれます。
どの筋肉も足部だけで完結する筋肉です。

英語では【flexor hallucis brevis muscle】
flexor=関節を屈曲する
hallucis=母趾
brevis=短い
という意味です。

特徴

短母趾屈筋の特徴は、停止部が2頭に分かれているところ。
そして、二重神経支配になっているところです。

内側頭は、母趾の内側で母趾外転筋の腱と癒合します。
外側頭は、母趾の外側で母趾内転筋の腱と癒合します。
基節骨底の両側にくっついてしっかりと支えながら(MP関節の安定に貢献)、屈曲運動を起こします。
さらに、『母趾外転筋』『母趾内転筋』『短母趾屈筋』が協力して、前足部の横アーチの形成に重要な役目を果たします。
この3つの筋肉の位置関係とバランスは、直接的に横アーチの形成に関与するので、バランスが崩れて機能不全になると開張足となります。
それが長く続くと姿勢の崩れとなり、腰痛や肩こり、運動パフォーマンスの低下となってしまいます。

二重神経支配は、片方の神経が損傷してももう片方の神経の働きによって筋肉の機能が保たれることを意味しています。
二重神経支配の筋肉はたくさんあるのですが、多頭筋、多腹などに多いです。

また、長母趾屈筋は末節骨に付着します。短母趾屈筋との協力で縦方向に母趾屈曲をします。
長母趾屈筋は末節骨から腓骨まで伸びていて、内在筋である短母趾屈筋とは違う特徴があります。

短母趾屈筋は、
『母趾内転筋』『母趾外転筋』と共に横アーチの形成に大きな役目を果たす。また、MP関節の安定に貢献。
『長母趾屈筋』と共に母趾を屈曲する。

 

 起始と停止

起始 ー 立方骨下面の内側、内側・中間・外側楔状骨

停止 ー 母趾の基節骨底の内側縁と外側縁(種子骨を介して停止)

 

神経支配

内側足底神経 ー L5,S1
外側足底神経 ー S1,S2

働き

①母趾を屈曲する
②横アーチの形成に貢献
③歩行時にMP関節を制御する。

 

短母趾屈筋の作用

母趾を屈曲する作用

短母趾屈筋は長母趾屈筋と共に足の親指(母趾)を屈曲します。
短母趾屈筋は母趾のMP関節。
超母趾屈筋は母趾のMP、IP関節の屈曲に作用します。
両方が協力して母趾を屈曲させることができます。

前足部の横アーチ形成に貢献する

足のアーチ全体は、足部筋肉群のすべてのバランスが織りなす調和で成り立っているのです。
その中でも短母趾屈筋、母趾内転筋、母趾外転筋のバランスは前足部の横アーチ形成に貢献しています。
足部内在筋は荷重した時に、身体を支えるために作用しています。

歩行時にMP関節を制御する

足部の内在筋は、地面に足が接地してから蹴り出してつま先が離地するまで、主に働いています。
短母指屈筋は、足の裏全体が接地してすぐに働き始めて、地面を蹴りだす前に母趾が伸展するとき、遠心性収縮によってMP関節を制御します。
歩行時に足部を制御すること、大きく言えば姿勢を制御するために作用しています。

 

短母趾屈筋のトレーニング方法

短母趾屈筋のストレッチ

①椅子に腰かけ、同側の手で母趾を深く握る
②MP関節を伸展方向にストレッチする。20〜30秒程度やさしくストレッチ。
*外反母趾の場合は外側頭を伸ばすように、第2趾と離れる方向に少しだけ方向づけをする
③反対側も実施

短母趾屈筋を伸張させ筋収縮

①椅子に腰かけ、同側の手で軽くストレッチする
②反対側の手の親指で土踏まずを軽く押さえる
③ストレッチした手を抵抗にして、MP関節を屈曲方向へ押し返す。短母趾屈筋に収縮を感じる程度。わずかでも良い。
④収縮と弛緩を繰り返す
*土踏まずに触れた親指で筋肉の収縮を感じることができるのが望ましい。
⑤反対側も実施

歩く

①ストレッチと筋力訓練が終わったら歩く
*片足が終わったら歩いてみて、左右の足の違いを感じてみるのも良い
*歩く時に短母趾屈筋は制御として働く。ストレッチと筋トレ後は短母趾屈筋の働きが活性化されているので、歩くだけでもトレーニングになる

タオルギャザー

①椅子に腰かける
②タオルを足の下に敷いて、足趾の屈曲を繰り返すことでタオルを引き寄せてくる。
*下腿の筋肉ではなくて、足趾の筋肉を意識して動かす。(特にターゲットは短母趾屈筋、短趾屈筋、虫様筋)

運動のコツ

短母趾屈筋の運動は
①ストレッチ
②伸張しながらの筋力訓練
③歩く
④タオルギャザー
の順番で行うのが効果的です。

短母趾屈筋が歩行時に働くときは、MP関節伸展時の制御としてです。
まずはストレッチをしてMP関節がしっかりと伸展すること、その後に伸展位で筋肉が働くことが重要です。
その後に歩いてみて、足の感触を確かめてみてください。