長母趾伸筋の作用とトレーニング方法 【歩く時は無意識に働いている筋肉】

  • 2019年3月15日
  • 2019年3月18日
  • 足部

長母趾伸筋とは

長母趾伸筋は下腿の前側(脛)にある筋肉で、足首の背屈、母趾の伸展に作用します。
歩いているときは前脛骨筋と同じように働く筋肉で、つま先が床に引っかからないよう貢献します。

英語では【extensor hallucis longus muscle】
flexor=関節の角度を大きくする
halluc=母趾
longus=長い
という意味です。

特徴

長母趾伸筋は下腿の前側にある筋肉の1つです。
前脛骨筋、長趾伸筋と共に足関節の背屈筋と呼ばれます。
薄い筋肉で、前脛骨筋と長趾伸筋の間にあります。起始の方は2つの筋肉の深層に入っています。

歩行時につま先が引っかからないように働く筋肉ですが、それは自然に起こります。つま先が床から離れると同時に活動し、つま先を持ち上げます。前脛骨筋が主の筋肉で、長母趾伸筋は補助的な役割です。
また、踵が接地した直後は、つま先がパタンっと急に倒れてしまわないように足首を制御します。この時の筋活動は意外にも大きいです。
無意識の活動で、自然に流れるように歩行することをサポートします。

後面では後脛骨筋、長母趾屈筋、長趾屈筋が深層に位置して、表層には腓腹筋、ヒラメ筋があります。
前面では前脛骨筋、長母趾伸筋、長趾伸筋が対照的にあるのですが、表層に筋肉はありません。

回内にも回外にもわずかに作用します。特に第1趾列の背屈に作用します。(内反を伴って)

起始と停止

起始 ー 腓骨内側面、骨間膜、脛骨外側
停止 ー 母趾の末節骨

神経支配

深腓骨神経 ー L4ーS1

働き

①足首(距腿関節)の背屈
②わずかに回外(内反)、回内(外反)に作用
③母趾伸展
④歩行時つま先が床に引っかからないように足首を背屈
⑤踵が接地した時つま先がすぐに倒れないように足首を制御

 

長母趾伸筋の作用

足首の背屈、母趾の伸展

脛から始まる筋肉で、母趾の先端(末節骨)の背側まで腱が伸びます。
足首を背屈させ、なおかつ母趾を伸展させます。
母趾を伸展する力は、短母趾伸筋よりも強力です。

歩行の時つま先が引っかからないように足首を背屈させる

歩行の時は無意識でも筋肉が自動的にこういった運動をしてくれます。
床からつま先が離れた直後に足部を背屈させます。前脛骨筋を補助する形で、同じように収縮します。
踵が床に接地した時は、足首が急にパタンと倒れないように遠心性収縮で制御的に働きます。これも瞬間的に無意識に働きます。

 

筋力トレーニング方法

足趾伸展と足首背屈運動

①片足を少し前に出して接地。
②足趾を伸展させる。床から足趾を持ち上げる。特に母趾を意識する。
③足趾を伸展させたまま、踵を軸にして足首を背屈させる。
*20回程度実施(回数は目安)片足ずつ実施します。

母趾を伸展する運動

①足を接地して母趾だけを伸展する。
*器用さが必要です。イメージだけでも効果があります。起始と停止をできれば意識します。

四つ這いから下を向いた犬のポーズへ

①足の甲を寝かせて四つ這いになる。
②足首を背屈させる力、足の指先を伸ばす力で床を押して、足首を持ち上げ、そのまま足底を床に接地。下を向いた犬のポーズになる。
③再び元もポジション(四つ這いの姿勢)に戻り、繰り返す。
*強度のある運動なので、無理はしないようにしましょう。構造に体重を乗せないように、前脛骨筋、長母趾伸筋、長趾伸筋の収縮を意識します。

 

ストレッチ方法

つま先の背側(爪の側)を床につけて、足趾を曲げて、足首を伸ばす

①立って行うか、椅子に腰掛けて行う。足の指を曲げて床に爪の方を接地する。
②足首が底屈するように(足の甲が伸びるように)足首の前側を開いていく。
③30秒程度キープする。

 

運動のコツ

下腿後面には、『腓腹筋』『ヒラメ筋』という大きな強い筋肉があるのですが、前面には大きな強い筋肉がありません。
強度の強い運動を急に行うのは控えて、最初はしっかりと収縮できるかどうかを意識するのがコツです。

構造に負担が来ないように、運動に慣れてきてから強度を上げていくようにしましょう。